講堂朝会の集会記録を読んで

遅くなりましたが、6月14日の中学講堂朝会の「集会記録」にコメントを書き終わりました。
6月初めの高校の講堂朝会でお話したことと少し重なる内容で、
私は西遠のHR展について語ったのですが、
3年生は「今日は私たちのためのお話だ!」と歓迎してくれ、
1・2年生も「学園祭が楽しみになりました!」と書いていてくれたので、
みんなの感想をとてもうれしく読ませてもらいました。
学園祭のHR展では本当にいろいろなことを得たという実感が、担任としての私にもあるのです。
この日は、今まで自分が担任としてかかわったHR展の中から3回分を中心にお話しました。
☆4年菫組で「星の王子さま」をテーマに、王子さまの星や王子さまが訪ねた星を作ったり、地球のコーナーには不時着した飛行機や井戸を再現したりしたこと。そして、そんな準備期間が、「星の王子さま」における井戸探しの旅と重なり、HR展までの道のりは4年菫組の井戸探しの旅だったんだと気付いたこと。
☆3年菫組で「動物たちが危ない」を合言葉に「絶滅動物」について調べ、トキ班は「トキの剥製」を求めて電話をかけまくり、ウミガメ班はアカウミガメの放流を見に中田島まで自転車部隊で駆けつけたりしたこと。制作途中では、やる気のない生徒を級友が叱り、その子も反省してHR展準備に励むようになったこと。
☆3年月組で「ガラパゴス」をテーマにした時には、ガラパゴスなんて知らなかった生徒たちが、ゾウガメを作ったりイグアナを作ったりするうちに、ピンタ島最後の一匹となったゾウガメのロンサムジョ-ジに思いをはせ、ガラパゴスで進む自然破壊に心を痛めるなど、誰よりもガラパゴスを愛するようになったこと。
「ガラパゴス」のHR展を終えてクラスの生徒が提出してくれた感想を、
講堂で一部読み上げたのですが、
「ってゆうか」で始まり、面白短歌で終わるようなとんでもない感想文もありましたので、
場内大爆笑。
その折、紹介しきれなかった文章を、今日はこの場を借りて紹介したいと思います。
「ガラパゴスなんて全然知らなかったのに、学園祭で私はいろんなお客様に説明をした。そう、エクアドルも知らなかったくせに、お客様に自慢げに話した。でも、私がガラパゴスには魅力がたくさんあるって知っていたから、自慢げに話したんだ。ガラパゴスにたくさん魅力があるって分かったのは、これまで3ツキの皆と一生懸命作ってきたからだと、今は思う。実は、制作中、アイディアが行き詰ってみんなで悩んでいた時、私はとっても嬉しかった。なんかよく分かんないけど、すらすら出来上がっちゃうより、みんなで考えに考えて、いいものを作っているっていう気がしてうれしかった。そうしてできた3ツキのガラパゴスが努力賞に輝いて、良い評価をもらえたときは、もっと嬉しかった。」(Y・Sさんの文章)
彼女が「行き詰っているときに嬉しかった」という気持ち、
にわかには理解しがたいかもしれません。
でも、今年HR展を完成させていく生徒たちの中に、
同じ気持ちをHR展制作過程で実感する人が出てくるかもしれません。
そうだといいな、と心から思います。
HR展のテーマ、そろそろ出揃ってきたようです。
どんな『井戸探しの旅』が始まるのでしょう。
当人たちにしか味わえない『井戸水』のおいしさ、
HR展が終わった後で、ぜひ聞いてみたいと思います。
「続き」には、各学年一人ずつ、集会記録(感想文)を掲載しました。
ぜひお読みください。


6月14日の講堂朝会集会記録より


1 年 
 学園祭は、イベントの多い西遠の中でも1・2を争うビッグイベントです。私も小学6年生の時、初めて母と西遠の学園祭に来てHR展を見ました。その時の衝撃はとてつもなかったです。あっと驚くことを調べているクラスもあれば、普段身近にあるものの意外な一面について調べているクラスもあったり…と、それぞれのクラスによって全く異なる色を発揮しているので、びっくりしました。「いずれ私も、それを実行する側の人間になるのか」と、まだ少し実感がわかない中、「どんなことをしよう?」と夢も膨らみます。案内されている・見る側から見ると、「すごい」の一言で済んでしまいますが、作っている側からしたら、この一つの展示物を作るためにどれだけ汗を流したんだろう・・・とお話を聞きながら思いました。
 そして、私が何より感動したのは、最初はやる気がなくて積極的ではなかった人が、友人の一言でそんなにも変わるんだということです。私はその子を叱った人もすごいと思います。きっとその人は、HR展に情熱や熱意を思いっきり注いでいたからこそ、やる気のない人を叱ることができたと思います。そんな人でなければ、叱られたって心には響きません。そして、叱られた人も、叱られてすぐに作業に取り組むところがすごいな、と思います。よっぽど心に響いたのだろうな、と聞いていて思いました。こうやって一つのイベントを通して、絆が、友情が、深まってゆくのはとてもステキだと思います。まさに「青春」という感じがします。
2 年
 先生のお話を聞いて、早くHR展がやりたくなりました。西遠の学園祭は、小学生の頃に何回か来たことはありますが、去年初めて運営する側になって、すごく楽しく感じました。HR展のために毎日放課後遅くまで残っている先輩たちを見ていたし、クラブ展のために私も放課後残ったりしたので、大変だったけど、完成した時の達成感がすごかったです。
 先生のクラスでやった「星の王子さま」は、すごくかわいいし、楽しそうだと思いました。井戸を作ったり、夜(宇宙)をイメージした部屋を作ったり、そのHR展を見に行ってみたいです。「動物が危ない」のテーマでやった時の話も、すごくクラスが団結していて、一人一人が自分の役割をちゃんと果たしていて、良いクラスだなと思いました。
 今年の学園祭では、2年生は食堂のお手伝いをするので、頑張りたいと思います。自分のやれることを一生懸命やりたいです。それと、クラブ展や係もしっかりやりたいと思いました。学園祭がすごく楽しみです。
3 年
 お話に出てきた「HR展という井戸探しの旅」というところで、なるほどと思いました。HR展という「井戸」を見つけるために、様々な方向からクラス全員で向かっていく。途中で衝突したり、心が折れそうになって諦めかけたり、でもそんな友達を誰かが激励したりして、一歩一歩進んでいく。たどり着くまでの道は決して穏やかではないが、クラスみんなで協力し、努力して井戸に着くのだ。そして、それが西遠のHR展なのだ、と伝えてくださった気がしました。私たちのクラスの井戸探しの旅は、まだ始まったばかり。これから、衝突したり、辛く思ってしまう子がいたり、様々な問題が発生するということがあると思います。しかし、みんなで一つの井戸に向かって突き進んでいきたいと思いました。そして、できれば井戸の水がおいしいといいな、と思っています。どんなHR展を作り上げることができるのかわかりませんが、クラスの一員として一生懸命クラスに貢献したいと思います。