小さな白板2026 第34週

夏休み終盤から、夏休み明けまでの一週間、「小さな白板」は今週もひっそりと(笑)図書館入り口で皆さんの視線を待ってました。

手塚治虫さんのドラマ「手塚治虫の戦争」を8月12日に視聴しました。手塚さんはどんな思いを持って漫画を描いていたのだろうと考えていた時に、この言葉に出会いました。実は、この言葉、続きがあります。

一、戦争や災害の犠牲者をからかうようなこと。
一、特定の職業を見くだすようなこと。
ー、民族や、国民、そして大衆をばかにするようなこと。
この三つだけは、どんな場合にどんなマンガを描こうと、必ず守ってもらいたい。

戦争の時代を生き抜いた人々は、日本国憲法で保障された「基本的人権」を本当に大切に考えていました。私の両親もそうですし、父より3つ年上の手塚さんのこの言葉でもそれがわかります。漫画界の巨匠である手塚さんのこの言葉には矜持が感じられます。この言葉は、きっと漫画家を目指す人々にも大切な「戒め」として伝えられていることでしょう。それは、漫画を超えての訴えのように思います。

7月にウェブ記事で読んだ《好書好日「映画「キングダム 魂の決戦」小栗旬さんインタビュー 天才軍師の背負うものとは」〉から。 
私はアクションがすごすぎる映画や暴力的な映画はちょっと苦手なので、「キングダム」シリーズは見ておりませんが、推しの俳優の記事はしっかり読みます(笑)。
読書って相手のことを知る手っ取り早い方法、という指摘、「確かに…」と思いましたので、白板に紹介を。この日、登校学習に励んでいた高校3年生の皆さんは、どう思ったでしょう。

この言葉は、今年の3月にニューヨークで行われた「第70回国連女性の地位委員会」での発言だそうです。国連ピース・メッセンジャーのマララさんは、「True justice does not defend the humanity of children in one place and ignore it in another.」と訴えました。戦争の中で、子どもたちが人間性を無視して虐げられることへの強い怒り。都合の良い論理で自国だけを守る為政者への強い非難。マララさんの言葉は、いつも重い響きを持って、私たちの心に届きます。
夏休み明けの白板は、このマララさんの言葉からスタートしました。

ドラマ「銀河の一票」より、東京都知事に立候補した月岡あかり(野呂佳代)の言葉を。ドラマを見終わってかなり経ちますが、今、現実世界でいろいろなニュースに出会うと、この言葉が思い出されます。きれいごとと馬鹿にするのではなく、きれいなことを続けていく勇気、根気を大切にしなくては、と。
米トランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)の 所長である赤根智子さんらを制裁対象に加えたことを受け、「制裁の即時撤回」を求める署名が始まって10日。赤根智子さん制裁への撤回を求める署名は13万筆を超えました。きれいなことを諦めないことが一番強いんだ、と力強く思える動きです。

昭和という時代は、1926年12月25日から1989年1月7日まで、64年という長きにわたっています。今年は、昭和100年という年。「古き良き」という表現だけで昭和をくくってはいけない、と作者は静かに歌います。「戦争の色濃き時代」があった事実を忘れてはいけない、と。この冷静な訴えの中に、歴史をしっかり捉え、その反省をもとに平和を築いていくことが大切なのだという熱い思いを感じました。桑原正紀さんの「麦熟るるころ」は本当に良い歌集です。