平和を願って

今年も生徒会主催で「殉難学徒慰霊式」が行われました。

戦争が終わって73年、戦争の悲劇を胸に刻み、平和の尊さや命の大切さについて考えるこの行事が、生徒の手によって続けられていることを、私は心から誇りに思っています。
今年の祭壇を彩ったのは、生徒皆が折った千羽鶴です。
一羽一羽、鶴を毎朝折るという、地味だけれど美しい行為の積み重ねが、色とりどりの束になって、クラス代表の手によって壇上に捧げられました。
私も教頭先生と共に一束の鶴を持って舞台に上がりましたが、千羽鶴の重みは、そのまま平和や命の重みであり、生徒たちの温かい心の重みでもあるように感じられました。
舞台を彩ったたくさんの花も、生徒皆がおうちから持ち寄ってくれたものです。

朝、生徒会執行部が中心になって、生徒が持ち寄った花を集め、プランターに活けました。


美しい花たちに囲まれて、作業をする生徒たちの顔も輝いていました。
こうして、生徒たちの心を集めて、慰霊式が行われたのです。
今年は、一昨年も参列してくださった遺族の曽布川様が、お友達の加賀様とともに、ご来校くださいました。
浜松ユネスコ協会の皆様もお越しくださいました。
昨年11月に亡くなられた橋本みつ様もきっと天国から講堂へと駆けつけてくださったと信じています。
生徒の皆さんが式に臨んで感じたであろう、戦争という恐怖。
平和の作文の朗読者の力強い決意表明。
先輩世代から若者たちへと、引き継がれていく見えないバトン。
その大事な瞬間を、西遠の講堂に集った皆が心に刻んだのではないでしょうか。
式の後、講堂のプランターは、「愛の灯」像の前へと場所を変え、再び飾られました。

優しい色の空が純白の像の上に広がっていて、色とりどり咲いた花がその足元をしっかりと固めていました。
思いのこもったプランターの花たちは、平和な世の中をつくっていく土台のように、私には見えました。