講堂朝会を終えて 

今日は、高校の講堂朝会でした。
今年度の講堂朝会は4月14日の全校講堂朝会に始まり、5月12日の中学、そして今日の高校の講堂朝会をもって、中高共に2回お話を終えたところです。
4月の第一回は、役員認証式を終えた直後の講堂朝会でした。
こんなお話をしました。
・役員には皆に選ばれた責任がある、皆さんには選んだ責任がある。役員は自分で考えて行動し、指示をし、まとめていくこと。クラスの皆は、役員を支え、応援し、協力し、時にはチェックすること。両方がうまくいって初めて、クラスや学年、生徒会が機能し、向上する。
・生徒総会では、分からないことをそのままにしないで、質問しよう、執行部は分かるように説明しよう。
・わからないことを分からないままにしておくと、どうなってしまうか。分からないことに慣れると、何があっても他人事で、意見も疑問も怒りも持たなくなってしまう。自分が生活している社会の仕組みをしっかり把握し、生活の基盤を知ることが大事である。
・伝統校には「ハビトゥス」(習慣・習わし)があると、教育評論家のおおたとしまささんは言っている。伝統校にはあって、新しくできた学校にはないものが、ハビトゥス。ハビトゥスは、卒業したずっと後に、その人を助けてくれるもの。その学校らしい雰囲気、学校らしさ、…西遠の場合は何だろう。
中学講堂朝会(5月12日)には、女子校について考えよう」というテーマでお話しました。
・日本には、いくつぐらい女子校、男子校があるだろう。
・男女のやる気ポイントはどう違うのだろう。
・男女別学のメリットを、教育評論家の中井俊已さんが7つ紹介している。今日はその7つをぜひ覚えてほしい。
・女子校のメリットを生かし、西遠での6年間で積極的に吸収していってほしい。
そして、今日の高校講堂朝会でのお話は、男女別学からまた一歩進み、「中高一貫の女子校の良さを生かすために」というテーマでお話をしました。
前回2回分の集会記録から生徒の感想を紹介し、女子校であること、中高一貫であることの良い点を皆さんがどう実感しているのかお話しました。
高校生の皆さんには、その良さをしっかり自覚し、後輩を育てていってもらいたいと思っています。
生徒の感想だけでなく、おおたとしまささんの「進路で迷ったら中高一貫校を選びなさい」という本の中から、「中高一貫校で一生の友達ができやすい」のは、「お互いの尊敬に根ざした共同体意識」があるからだということを紹介しました。
一回一回の行事や活動の中で、互いの個性や良さを認め合って、互いに自分にはないものを見つけていける。それがお互いへのリスペクトという形で、「共同体意識」を芽生えさせる。
おおたさんは「行事を通じて生徒一人一人が学校の一部になる」と表現しています。
そして、この「共同体意識」が、その学校の「~らしさ」になって、社会のために自分は何をすべきか?という視点を持てるようになる、とも言っています。
一回目の全校講堂朝会で聞いた「『西遠らしさ』とは何か」という問いに、たくさんの生徒が自分の考えを集会記録に書いてくれました。
その中で、高校生の記録には「社会のために何をすべきか」というところに達しているなと感じられるものがありました。
☆私は卒業しても、平和や戦争、核について考えていきたい。(高校3年)
☆私は、昨年の先輩たちの意識の高さを受け継いで、選挙に行くようにしたい。(高校2年)
西遠2000日の修行の中で、「どこの大学に行くか」だけではない、もっともっと先の生き方について、高校生たちは考え始めています。
そうした先輩たちの姿が、中学生に与える影響はとても大きいのです。
今日は、高校生の皆さんに、中高一貫女子校の良さを学園生活の中で後輩たちに見せていってほしい、と私は結びました。
今回の集会記録には、高校生が実感する中高一貫の女子校の特色や良さが、生徒の皆さんの感性や言葉で表現されることでしょう。
疑問や異論も出るかもしれません。
どんな感想が届くでしょうか。
感想を読むのを楽しみにしています。