5年雪組HR展『弁当』

東海道新幹線浜松駅ホームにある駅弁の売店といえば『自笑亭』さん。『自笑亭』さんは歴史が長く,その名前の由来に惹かれたことが,テーマ決定につながった理由の1つです。創業はなんと江戸時代末期,安政元年(1854年),ペリー来航翌年です。千歳町で料理屋『山六(やまろく)』を営んでいた山本六兵衛は,第25代浜松城最後の城主・井上河内守正直(いのうえかわちのかみまさなお)に大変可愛がられ,「人の心を安らかにさせる自然の笑みが素晴らしい」と城主自ら『自笑亭』の屋号を命名して下さったそうです。
最初のコーナーでは,新幹線に乗車中の設定で,弁当の歴史,『自笑亭』さんの弁当の種類を紹介。

ホームに降りたところで巨大制作物である駅弁の売店を再現しました。


残念ながら『自笑亭』さんは大変お忙しい時期でしたので取材は断念。そこで,テーマの幅を『弁当』に広げ,夏休みに『知久屋』さん,『ミズモト東海調理専門学校』さんに取材を依頼しました。夏休み中8月前半に『知久屋』さん,『東海調理専門学校』さんを訪問。『知久屋』さんにはお弁当に対するこだわりを,『東海調理専門学校』さんにはお弁当を作る上でのアドバイスを伺い,翌日,さっそく学校の調理室でアドバイスを参考にした『5雪オリジナル弁当』を作りました。



遠州の特産物を使い,健康弁当をテーマにした『5雪オリジナル弁当』のレシピはお客様にも大好評で,中でも「フルーツサンドロール」がいちばん人気。何度かレシピの補充もしました。
お世話になった『東海調理専門学校』の先生が5雪のHR展を訪れてくださいました。

また,『自笑亭』さんで販売されている弁当のうち2種類を,お客様に弁当作りとして体験していただくため,中身の具材1つ1つを紙粘土で地道に制作しました。洗濯ばさみで作ったトングを使って具材を取り,30秒で弁当を完成させるという体験。楽しんでいただけたようです。


最後のコーナーは,世界にも目を向け「食をめぐる問題」とその解決策について考えました。
昨今,日本の弁当は世界各国から注目を浴びており,パリには日本の弁当屋がオープン。中国でも訪日の際にはSNSに弁当の写真を投稿するのが流行中。タイではキャラ弁を作る日本の女性がすごい!と母親が朝早く起きて弁当を作ることが信じられないそうです。

そんな日本で問題になっていることは①食料自給率の低さ②食品ロス,世界では貧困の問題が挙げられ,その実態を数値化した立体的なグラフで示しました。

世界の栄養不足人口が8億2080万人に上る中,日本の食品ロスは年間約643万トン,その半分が家庭から出されている現状(毎日1人おにぎり1個分)。この状況を受けて,日本でも国や地方自治体が様々な取り組みをしているそうです。

5年雪組では今回『弁当』をテーマにしたことで,食の問題を解決するために自分たちは何ができるのかを考える良い機会となりました。これで終わりにせず,今後の生活の中で様々な食の問題について考え続け,一人一人ができることを実行していければと思います。
ご協力下さった『自笑亭』さん,『知久屋』さん、『ミズモト東海調理専門学校』さんに感謝申し上げます。

文責 平池智恵