昨日、二つの大きなニュースを知り、そこに2人の凛とした女性の存在を確認しました。
まず、女優の岸恵子さんの訃報。彼女の映画をたくさん見ているわけではありませんが、その生き方はとても凛としていて、ぶれない方だとリスペクトしておりました。コロナ禍のさなか、2020年5月に日本経済新聞に連載された岸恵子さんの「私の履歴書」は、その文章のすばらしさと、彼女のぶれない人生の選択とで、一か月間私を魅了しました。彼女の戦争体験もまたそこに紹介されました。

翌2021年の8月には終戦の日のインタビューでも彼女は登場しました。その記事の一節を、夏休み明けの「小さな白板」で紹介したこともあります。

彼女が天寿を全うされたとはいえ、素晴らしい女性の逝去は寂しい限りです。白板のメッセージは、そのまま若い世代への遺言のようにも思えます。「地球人になってほしい」という彼女の言葉を、西遠生もぜひ受け止めてください。
もう一つ、昨日から心を痛めているニュースがあります。それが、アメリカのトランプ政権によるICC(国際刑事裁判所)の赤根智子所長らへの制裁です。人々を戦争や虐殺から守るために法を司る者に対して、資産凍結・渡米禁止という理不尽な制裁が発表されたのです。これに対し、ICCは「ひるむことなく職員と、想像を絶する残虐行為の被害者を断固として支える」という声明を出したそうです。
赤根智子さんは、2年前の高校講堂朝会「ヨシコとトモコとエリカと憲法」で生徒に紹介した4人の女性の中の一人です。当時ロシアから指名手配を受けるなど、すでに命の危険のある立場にいた彼女について、権力に屈することなく凛として生きるその考え方を紹介し、大きな反響がありました。これは当時の高校1年生の感想です。
◎智子さんの「裁判官は仮に一人が死んだとしても替えが利くものですから」という言葉に衝撃を受けました。私は今までの人生の中でそのような覚悟で何か物事に取り組んだことがないため、驚いたと同時に「怖くないのかな」という気持ちになりました。ですが、大庭先生のブログに載っていたニュースの動画での智子さんのインタビューを見て、その気持ちのブレが一切ないように淡々と話す様子から、やはり覚悟や目指しているところ、感じている責任などがレベルが違うのだなと感じました。智子さんのインタビュー、とてもかっこよかったです。智子さんのような立場の人が、こんな思いをする出来事・戦争がなくなることがもちろん一番ですが、そのような出来事・戦争が起こっている現代の社会で、くじけずに強い意思を持って生きている人がいるのだということを忘れないようにしたいです。そして、私もそんな人になりたいです。(高校1年)
その後、赤根さんの著作も読みました。この本「戦争犯罪と闘う」には、彼女の半生も綴られ、そのうえで毅然として権力に立ち向かう彼女の気骨あふれる生き方が紹介されています。

白板にも彼女の言葉を書きました。2025年1月31日の白板です。

今回、NHKの今年1月のインタビュー記事「大国の圧力に立ち向かう日本人 赤根智子さんの仕事の流儀」も読みましたが、ICCのトップとして、凛とした姿勢を見せ続ける彼女に改めて圧倒されました。
今回、すでにEUや国連も、制裁に対する非難声明を発表しています。
赤根さんのように凛として正義の道を行く女性を孤独にしてはいけないと心から思っています。

