本日の第3回中学入試説明会には、多数の皆様にご来校いただき、まことにありがとうございました。
西遠の教育内容をご理解いただき、是非とも進学先としてご検討ください!
秋休みが明け、後期が始まりました。休み明けの「小さな白板(ホワイトボード)」も秋の歌満載です。
10月13日(火)
郷愁は遠いところをやってくる未来にちょっと寄り道をして
岡野大嗣

「郷愁」という言葉を、今の生徒の皆さんは使いますか? ノスタルジーの方が使いやすいのかな。
過去を懐かしく思うような感情――「郷愁」。未来に寄り道するなんて、素敵な発想ですね。
私には、「郷愁」というと思い出す一編の詩があります。三好達治の「郷愁」という詩です。
「郷愁」 三好達治
蝶のやうな私の郷愁!……。蝶はいくつか籬まがきを越え、午後の街角まちかどに海を見る……。私は壁に海を聴く……。私は本を閉ぢる。私は壁に凭れる。隣りの部屋で二時が打つ。「海、遠い海よ! と私は紙にしたためる。――海よ、僕らの使ふ文字では、お前の中に母がゐる。そして母よ、仏蘭西人の言葉では、あなたの中に海がある。」
私にとって、郷愁は、地球儀を一周してやってくるような、そんな存在です。
10月14日(水)
笠智衆が洗濯物を干してゐるラストシーンのやうな秋の日
荻原信子

今年の春に行われた「NHK全国短歌大会」で大賞を受賞した作品です。笠智衆さんと言ってもわからない人が多いかもしれませんが、小津安二郎監督の映画から山田洋次監督の寅さんシリーズ、そして山田太一さんのドラマまで、たくさんの映像作品に登場したすてきなお爺ちゃん俳優です。ぜひ調べてみてください。彼を知れば、この短歌も「うーん、なるほど」と共感できることでしょう。
10月15日(木)
秋風に研がれ薄は銀(しろがね)の光の粒を零(こぼ)しやまざり
永田淳

永田淳さんは、9月30日に白板に登場していただいた永田紅さんのお兄様です。
この短歌を見た時、格調を感じつつも、秋のいろいろな色が見えた気がしました。秋の寂しさよりも、秋ならではの贅沢な一瞬が見えたような…。
10月16日(金)
この秋に溢れるひかり往くものも残れるものも呑まれてゆけり
江戸 雪

この短歌もまた、秋という季節の美しさをダイナミックに詠んでいるなあ、と感嘆しました。
秋という季節は、短歌が似合いますね。
10月17日(土)
真夜中のファミレスの奥に祭壇のごとくドリンクバーはかがやく
栗木京子

ファミリーレストランのドリンクバーという、極めて現代的なものを「祭壇」だと形容する面白さ。
真夜中の静寂の中、ドリンクバーは、まるで砂漠のオアシスのように、人々の喉の渇きを癒す神々しさを放っているのでしょう。
10月18日(日)
わうごんの光たたふるカステラをほほばればこの世の福々し
桑原正紀

「わうごん」すなわち「黄金」の輝きを放つカステラ。口の中が甘いカステラでいっぱいになるかのような短歌ですね。
白板に書きながら発見したのは、「たた」「ほほ」というひらがなの繰り返しでした。「福々」という二字と共に、表現に込められた作者のこだわりを感じました。
☆ ☆ ☆
ここ数日の西遠、浜松はまだ暑くて、秋の風情はまだ先のようです。
写真は、左が去年の今頃のキンモクセイ。右が今年(昨日撮影)のキンモクセイ(同じ木)です。全く咲いてません…。


いつ咲くんでしょうか?
昨日は、イソヒヨドリのメスが美しく鳴いていました。端正なお顔ですね。


休日の今日は、中学入試説明会がありました。朝、カワラヒワがたくさん集まっていました。その中の一羽を撮影。
こちらも凛々しいお姿。


今朝、我が家に咲いていた薔薇もおまけにどうぞ。手前にあるつぼみが、数日後の幸せを期待させてくれます。

【予告】明日からの白板は、松村由利子さんの著書「SF短歌」からお届けします!面白い短歌がたくさんです。

