女子校って面白い! 5

久々ですが、「女子校って面白い!」シリーズ更新します!
女子校は「ヨコ」の関係が強く、
だからこそ「一生の友達ができる」と言われます。
では、「タテ」の関係はどうでしょうか?
女子校に行くと「憧れの先輩」ができたりする、ということがよく聞かれますね。
部活動や生徒会活動、学校行事等で「憧れの先輩」が出来ることが多いようです。
もちろん、西遠にも、憧れの先輩を作る「部活」「学園行事」がたくさんあります。
生徒会活動も。
でも、これだけではないのです。
もう一つ、忘れちゃいけない、西遠オリジナルの大きな出会いがあります!
それが、「姉妹活動」です。

現在の姉妹活動は、今から4年前にスタートしました。
6学年にわたる、クラス関係なしのグループを作り、6年生がリーダーとなって、掃除・昼食会を中心にして、様々な活動を行う…。
今年度教育実習に来てくれた先輩たちが、第1号の「姉妹リーダー」を務めた学年でした。
最初の年は、先生方も生徒たちも試行錯誤の繰り返しでした。
2年目、3年目と活動が整理されたり発展したりして、だんだんと軌道に乗ってきました。
今5年めの姉妹活動です。
生徒たちは、どんなことを思いながら、この活動に参加しているのでしょう。
集会記録から、たどってみましょう。

☆先輩とは年が離れていて、何を話せばいいか分からないし、どうしても気まずくなってしまいます。そんな時、いつも先輩方は、後輩が何か言いたそうにしているのを察して、「どうしたー?」と優しく声をかけてくれます。本当、感謝です!(2年生)
☆私は正直、姉妹活動が苦手です。いざ、先輩を前にすると、何も話せなくなってしまいます。せっかく先輩が話しかけてくださっているのに、自分の口から出るのは、せいぜい「はい」や「そうですね」などの相槌ぐらいです。だから、先輩もそこから話を広げるのが大変そうで、困らせてしまっています。話しかけられるのは嬉しいのですが、自分から何も言えないのが悔しいです。それが原因で姉妹活動が苦手になってしまいました。でも、それはもったいないと自分でも思います。せっかくたてのつながりを強くするチャンスを自分からなくしているからです。これからはチャンスをしっかりと生かしていこうと思います。(3年生)


中学生は、先輩にとても感謝しているのが分かります。
話すのが苦手な後輩も、先輩に申し訳ないと感じている…。
実は、高校の講堂朝会で、この集会記録を紹介しました。
すると、こんな返事が返ってきました。


☆中学生の感想にとても共感できました。姉妹活動では、私も先輩とうまく会話のやり取りができず、気を遣わせてしまっていました。気づくと、もう5年生で、私は後輩の子たちにどう接しているのか心配になりました。私には、もう卒業されましたが、部活の先輩で目標にしている人がいます。校長先生のお話を聞いて、その先輩にあまり近づけていない自分に気がつきました。自分を客観的に見て、しゃべりやすい、よく気がつく先輩と言われるようになりたいです。(5年生)
☆私も先生が紹介していた中学生の子と同じで、話しかけることがとても苦手です。しかし、この活動は、社会に出た時も役立ってくれるものです。皆をまとめる統率力、上下関係、言葉遣い、社交的な態度等々、どれも大人になって問われる大切なものです。私はこの姉妹活動をどんどん利用していきたいなと改めて思いました。(5年生)
☆最近、いろいろな後輩に話しかけています。後輩はいつもしっかり応答してくれます。時々、「はい」「あ―」「そうですね」という短い発言しかしない子もいるのですが、それは私のことを嫌いなのではなく、実は話しかけられて嬉しいということも分かりました。これからは、そんな子にもたくさん話しかけていきたいと思います。(6年生)
☆私は遠足でサブリーダーを務めました。1年生が積極的に話しかけてくれて、そこから他の学年のことも話すことが出来て、嬉しかったです。姉妹活動で、1年生から6年生まで一緒に掃除や遠足など活動ができる場があるのは、この学校ならではのことだと思います。(6年生)

そうです、先輩たちも、かつては先輩に話しかけるのは勇気のいることだったし、
今、後輩に話しかけるのも実は勇気を出していることだったのです。
部活動と違って、同じ目的を持って集まったメンバーではないだけに、
姉妹グループの中で良い上下関係を築くのは大変だと思います。
しかし、毎日掃除をし、
月に一回昼食会で触れ合いの時間を持ち、
遠足やロングウォークで一緒に一日過ごす中で、
少しずつ信頼関係が生まれ、
少しずつ距離が縮まり、
少しずつ笑顔が増えていく…。
偶然の出会いだけれど、そこから、
頑張る先輩の姿に憧れを抱き、
自分もいつかそういう先輩になろうという思いが育っていきます。
もう少し、先輩の感想を紹介しましょう。

☆中学生の感想を聞き、自分が思っている以上に中学生は高校生の先輩のことを尊敬しているんだなと思いました。そして、姉妹活動をすごく大切にしていて、一生懸命縦のつながりを作ろうと頑張っているんだなと思いました。中学生は、私たちの行動をよく見ていて、「あの先輩のように話をするのがうまくなりたい」「あの先輩が自分にしてくれたように自分も後輩に同じことをしてあげたい」などと目標を持ち始めてもいるんだなと思いました。実際私も、私が5年生だった時、6年生の先輩が勉強のことなどいろいろなことを教えてくれたりしてすごくためになり、その時改めて縦のつながりのよさを実感しました。姉妹活動のおかげで、今でもその先輩と連絡を取り合っています。私が先輩にしてもらったように、私も後輩に何かためになることをしてあげたいなと思います。(6年生)

西遠の姉妹活動が軌道に乗ったのは、時間の経過のせいではありません。
一人一人の生徒が、先輩として、後輩として、こうやって努力をしてきてくれたからです。
下級生は上級生を敬い、
上級生は下級生を気遣う…。
当たり前のことでしょうが、自然にできることではないのです。
「姉妹グループ」という偶然の出会いの中で、
一人一人がその活動の意義を意識し、
ちょっとの勇気を持って振る舞う
――それが、西遠の姉妹活動発展の原動力に他なりません。

今年度も、姉妹活動が「憧れの先輩」を作り、
「憧れの先輩」に近づこうとする生徒を育てます。
魅力的な女性に一歩一歩近づいていくのです。