駅前のクスノキ

今日は、大雨警報が県西部地方のかなりの箇所に出ています。
皆様のところは大丈夫でしょうか?
午後3時を過ぎたぐらいの時間に、
遠鉄百貨店に用事があって、
私は久しぶりに駅周辺を歩きました。
駅から北口に出ると、
献血車の他に、
レッカーやらトラックやらがいて、
いつもの風景とはちょっと違うデパート前…。
とはいっても、何が起きているのか分からず、
私はそのままデパートへ入りました。
夕方のローカルニュースで、
実は、駅北口のクスノキが突然倒れたのだということを知りました。
午後1時40分ごろ、ということです。
あんなに人通りの多い駅前広場で、
しかも、日曜のお昼すぎ。
怪我人がなかったのが不思議なほどです。
12mもの大木が突然倒れて、
遭遇された方々はさぞ驚かれたことでしょう。
木の内部はかなりもろくなっていたようです。
駅前で長い間皆を見守ってくれたクスノキ。
倒れるその時も、人を巻き込むこともなかったのは、
クスノキの心意気でしょうか。
だとしたら、クスノキ、実にあっぱれです。
でも、木の声にもっと人間が早くに気づくべきだったのではないでしょうか。
こういう時、樹木医の塚本こなみさんなら
なんておっしゃるだろう、とふと思いました。
西遠にも講演会でいらしてくださったことのある、
女性初の樹木医 塚本さんです。
中野町には、塚本さんに助けられた木が一本あります。
東海道沿いのムクノキです。
道路がつくられる時、この木は切られるはずでした。
国交省との交渉でも、木は救えず…。
ところが、塚本さんが新聞のコラムに中野町の木々のことを書いてくれたおかげで、
歩道の脇にこのムクノキが一本残されることになりました。
天竜川の橋のたもとに、今もすっくとそびえています。

そばを通るときには、ぜひ木の根元を見てください。
ムクノキを守るべく、歩道がちょっと削られていますから。
木はそこにあって、たくさんの恩恵を人々に与えています。
あって当たり前だと思って、
何もケアしないでいたら、
木は悲しむでしょう。
クスノキのニュースに、
木の声を聞くことを教えてくれた塚本さんのお話を、
また聞きたくなりました。