富士山三保子さんに会ってきました

遠鉄百貨店8階催事場で、28日まで開かれている
「答礼人形 富士山三保子 里帰り展」
に行ってまいりました。

アメリカから里帰りした「三保子さん」は、かつて一緒に海を渡った「ミス神戸」の着物を着ています。
個人が保管していた「ミス神戸」さんは、着物を取り換えた後に、ハリケーンで流され、お人形もお着物もなくなってしまったのだそうです。
三保子さんは、今回のお里帰りで、修繕もし、昭和2年に作られた年代物の緑の着物についても、新しい着物に着替えることになっています。
それがお人形の左に展示された、赤いお着物。
富士山と三保の松原がデザインされたこのお着物を着たら、
三保子さんの雰囲気もまた少し変わるのでしょうね。
優しいお顔をした三保子さんです。

後に人間国宝になった平田郷陽氏の作品とのこと。
気品が感じられます。
その優しいお顔には、戦争で敵国となってしまった日本の人形として幾多の災難に遭いながらも人々の温かい心で保管された歴史が秘められています。
日本に送られた青い目のお人形も、戦時中は「敵国の憎き人形」として、無残な目に遭いました。
お人形をいとおしんでいた女の子たちの心も、さぞ傷ついたことでしょう。
そんな中で、やはり壊してはいけないという使命と勇気の持った心ある人たちが、お人形を隠して、守ってくれました。
静岡県にも青い目のお人形が戦争を生き抜いて現存しています。
その一つ、明倫小学校のミルドレットちゃん。

先日、このお人形の語り部をしていらっしゃる方から、学校にお手紙をいただきました。
この「おばんです」を見て、お手紙をくださったのです。
人形を守り、平和の尊さや友好の絆を伝えようとする皆さんが、
県内にもたくさんいらっしゃることを知り、
今回、そのお仲間に西遠の生徒たちも加えていただいたことに、心が温かくなりました。
この里帰り展には、浜松市立高校さん、海の星高校さんの生徒さんと一緒に、西遠女子学園の演劇部の生徒も説明役として参加しているのです。
私が訪ねた時にも、制服姿の生徒たちが、お客様に説明を行っていました。


高校生たちが、この人形のことを伝えていくことにも、
大きな意味があると思います。
戦争を知らない世代の高校生たちですが、
歴史を知り、伝えていくことはとても大事なことです。
演劇部の部員たちは、昨年の8月15日にアクト大ホールで「夕空」を上演させていただいたこともあり、
平和について真剣に考えている子どもたちです。
この里帰り展は、遠鉄百貨店8階(本館・エスカレーターを登りきった正面です)は、
明後日28日までです。
ぜひ歴史あるお人形さんたちをご覧ください。
西遠の生徒を含め、高校生の若い「語り部」さんたちの説明もぜひお聞きください。