秋空のもとで


朝、「今日は空が高いなあ。天高く馬肥ゆる秋だなあ」とハンドルを握りながら思ったオオバです。
校庭での全校朝礼にも、いい気候でした。
さわやかさ、穏やかさが漂う秋の一日です。
体育館の北側、ローズガーデンのバラも青空に映えます。

そして、皆さんはこの木を知っていますか?

ローズガーデンを見守るように大きく成長したこの木。
秋空のもとで、緑濃く茂っているこの木は、
長崎で被爆した楠(クスノキ)の大木の子供です。
福山雅治さんも歌った長崎の山王神社のクスノキの2世なのです。
この木をプレゼントしてくださったのは、
長崎で被爆体験を西遠生に語り続けてくださる和田耕一さんです。

和田さんは20年以上の長きにわたって、
西遠生に自らの被爆の体験と平和への強い思いをお話し下さいました。
2002年には、はるばる浜松にお越しくださり、
殉難学徒慰霊式にご参列くださった上、
この被爆楠二世の苗をプレゼントしてくださったのです。
記念植樹した苗は、こんなに大きく育ちました。
いわば、西遠の平和の誓いの象徴です。

写真は2012年10月。
66回卒業生たちが高2の研修旅行で長崎を訪ねた折の和田さんの被爆講話の様子です。
たくさんの卒業生が和田さんのお話に涙し、涙の中から平和の尊さを痛感しました。
和田さんのお話を聞いたことがきっかけとなって、進路を決めた生徒を複数知っています。
多くの生徒の心に平和の灯をともしてくださった和田さんも、
ご高齢のため、西遠生のための被爆講話を引退されることになりました。
その和田さんに、今年の高校2年生が研修旅行先の長崎にて、感謝のセレモニーを行います。
ご高齢をおして西遠の生徒たちに長年語り続けてくださった和田耕一さんに、
全校を挙げて感謝の思いを伝えたいと思います。