小さな白板、第17週

西遠も夏休みに入りましたので、図書館入り口の「小さな白板(ホワイトボード)」も、図書館開放日のみの実施となっております。図書館を訪れる人は、休みに入ると激減してしまいますが、図書館が開いている日には、たとえ生徒一人でも、玄関でこの白板が迎えることができるといいなと思っています。風景に溶け込んでしまい、文字まで読んでくれないかもしれませんが(笑)、気になって立ち止まってもらえたら望外の喜び。

7月26日(月)

 濁点はやっぱりトゲのつもりだろうか ばら、ぼけ、あざみ、さぼてん、じぶん   林あまり

月刊誌「短歌研究」8月号は、女性とジェンダーをめぐる特集号でした。青いネコちゃんの表紙です。すごいボリュームなので、まだまだ全部は読めていませんが、ページをめくっていく中で、薔薇についてを詠まれている林あまりさんの短歌が心に残りました。 濁点はトゲ…。そうか、私の苗字にも濁点がある、これはトゲかもしれないなあ。

7月27日(火) 海を見よ その平らかさたよりなさ 僕はかたちを持ってしまった 服部真里子

形を持つことの意味って何だろう。海という大きな存在、決まった形などない不安定さ。その前に立つと、人はこんなふうに感じるんでしょうか。

7月28日(水)女は共感を求め、男は解決を求める   映画「お終活」より

今週一番反響が大きかった言葉です(笑)。それも、先生方に(特に女性教職員に!)。男女別学でこのお話はよくしていますが、映画の中で語られると、吹き出すやら大きくうなずくやら。

映画「お終活」は、熟年夫婦とその娘、そして葬儀社に就職した若者のお話。橋爪功さんと高畑淳子さんがホントにはまり役でした。この言葉は、「教授」と呼ばれる大和田伸也さんの台詞です。終活に興味がある、というわけではありませんが、映画に「切手のないおくりもの」が使われると聞いたら、チュ-リップファンとしては行かない選択肢はない!と、公開(浜松は遅い!)を心待ちにしておりました。 肩の凝る映画ではありません。 人生100年時代にどう生きるか、何をすべきか、楽しく苦くいろいろ考えることができました。 ※「お終活」はシネマイーラで8月5日まで毎日1回上映中です。

7月29日(木)

 カッキーンって野球部の音 カッキーンは真っ直ぐ伸びる真夏の背骨    木下ルミナ侑介

図書館は30日からしばらく閉館。7月の最後は、高校野球を歌ったこの短歌にしました。元気に夏休みを過ごしてほしいという思いを込めて。コロナ禍にあっても、自分の目標に向かって若い世代にはまっすぐ生きてほしい。それは無秩序に生きることではなく、困難に対し、愚直に立ち向かう姿です。