中高一貫校に入って その3 挨拶編

4月16日の全校講堂朝会への感想の中から、今日は「挨拶」についてにテーマを絞って、生徒の感想をお届けします。 この日、講堂朝会で私が話した挨拶の話は、

  • 今春卒業した高3生が、6年間の講堂朝会の中で思い出に残る話として、挨拶についてグラフを使って「生徒の挨拶ができているようでできていない」と話した内容を挙げていたこと。
  • 生活会館の岡本寮母先生が富郎先生との挨拶について話してくださったエピソードを、私は中学1年生の時に入寮で聞いて、ずっと忘れられないこと。
  • 高校2年生の時、入院中の祖母を一人で見舞った帰り、エレベーターに乗った私に祖母が深々とお辞儀をしたこと。そして、それが祖母との最後のお別れだったこと。

こうしたエピソードを紹介しながら、私は生徒の皆さんに、今年は学園皆で挨拶に力を入れていこうと呼びかけました。この日は、次の「生徒総会」でも挨拶についての活動方針が承認されたこともあり、多くの生徒が「挨拶」について感想を綴っていました。一部、以前のブログと重なる感想もありますが、「挨拶」編としてご紹介したいと思います。(挿入した写真は、学園生活の様子と、先日の姉妹ウォークの写真、そして姉妹ウォークの道すがらで見かけた花たちです。)

中学生になって感じた挨拶への戸惑い

私は小学6年の頃、朝早くに大きな声であいさつをするあいさつ運動をしていました。朝早くからずっと挨拶をしていて、友達と話す時間があまりありませんでした。ときどき嫌になることがありましたが、自分が毎日大きな声で挨拶していることで、先生にも褒められ、最初はあいさつの声が小さかった人も大きな声でしてくれるようになりました。「挨拶をするとたくさんの方と知り合える」のもホントで、ずっとあいさつをしていると、知らない子が自分から話しかけてきてくれて、とても人脈が広がりました。西遠では、私は一番下の学年ということもあり、若干あいさつがしにくいです。あいさつをしても無視されたことがあり、あいさつするのが少し怖くなりました。ただ、今日、この話を聞いて、やっぱりあいさつはした方がいいんだと身にしみて実感しました。ですから、これからは積極的に先輩方にあいさつをしていきたいと思いました。(中学1年)

気持ちを込める

今まで、挨拶を沢山してきましたが、きちんと思いを込めて挨拶をしてきたことがあまりなく今回の話を聞いてこれからの挨拶をしっかり気持ちもこもった挨拶をしていこうと思いました。私達は、挨拶をしていても相手に聞こえない挨拶をしていることが校長先生の話を聞いてわかりました。相手に伝わらない挨拶をしていても意味がないので大きな声で相手に伝わるような挨拶ができたらいいと思います。今年からは、後輩ができ挨拶をされる側にもなるので、挨拶されたら気持ちの良い挨拶が返せるようにしたいと思いました。一言の挨拶だけで一日が変わると思うので挨拶を大切にしていきたいと思います。(中学2年)

一回一回の挨拶が思い出になることも

私は一年生の頃はしっかり聞こえるように毎朝挨拶をしていましたが二年生からはあまり挨拶について考えない事があり、なんとなく挨拶をすればいいなと思っていました。でも挨拶の大切さを今回の校長先生のお話でよくわかりました。校長先生のお祖母様のお話のときは私は少し涙しました。挨拶は何気ない日常の中のものですが、一回一回の挨拶が思い出になることもあると学びました。(中学3年)

1年生が続いてくれた!

今学校や、地域であいさつをすると必ず「おはよう」と返してくれます。あいさつを返してくれる人たちは不思議とみんな笑顔です。みんなを笑顔にするということからもあいさつは魔法の言葉だなと思いました。あいさつをした私自身も自然と笑顔になります。あいさつをするってとても気持ちのいいことだなと改めて実感することができました。今年から私は中学3年生。中学では最上級生となります。下級生たちの見本にならなくてはいけません。
以前、学校で先生とすれ違っていつものように「おはようございます‼」と言ったところ、1年生の子たちが私の後に続けて元気よく「おはようございます」と言いました。とても気持ちが良かったです。(中学3年)

高校生となって

校長先生がお話してくださった挨拶のお話が印象に残りました。よく、挨拶は大事と言われます。私もそう思います。初対面の人と話すにも、目上の方とお話するにも挨拶はその人とを繋いでくれる唯一のものだと思います。朝には正門の前で先生が挨拶してくださるので、朝から今日も頑張ろうという気になります。しかし、挨拶する声が話す声よりも小さくなってしまうというのは私もあります。理由としては緊張してしまうことが多くあるからです。しかしよく考えてみると、相手からすると小さい声の挨拶をされていい気持ちはしないと思います。なので次からはしっかり挨拶していきたいと思いました。今日の生徒総会で高校生徒会の執行委員の方があいさつ運動をすると報告をしていました。その運動を機に自分から積極的に挨拶をしていきたいですし、挨拶の声を意識していきたいなと思いました。西遠の高校生ということを忘れないで、恥じないように挨拶していきます。毎朝クラスのみんなに挨拶していこうと思います。(高校1年)

流れ作業ではなく、心を込めて

生徒と先生方の挨拶の意識の違いについて校長先生がお話されていました。このお話は毎年聞いていることですが聞くたびに自分の挨拶について見直さなければいけないなと思います。昨年末にとある先生に「さようなら」と言われ、私は「さようなら」と挨拶を返しましたが、その時私は友達と会話をしていて先生の目を見ずに流れ作業で挨拶を返してしまっていました。なので先生から「相手の目を見ずに挨拶をすることは挨拶とは言わないよ」とお叱りを受けました。その言葉で私はハッとし、今までの挨拶を見直して反省しました。今回の校長先生のお話でも挨拶より友達と会話している声のほうが大きいというお話をされていましたが、無意識のうちにそうなっている人は多いと思います。挨拶は心を込めてするものであり、流れ作業ですることではないのでこれから挨拶をされたら相手の目を見て挨拶を返したいし、自分から積極的に挨拶することも心がけていきたいです。(高校2年)

下級生のお手本になりたい

高校3年生になってこの学校の最上級生になった。実感はあまり感じていないけれど、下級生のお手本にならなきゃとは思っている。その中でも挨拶が一番重要な気がする。先輩がやってるから自分も勇気を出してやってみようと思ってもらえるような挨拶をしたい。挨拶をするだけでもその日の気分を変えることができると思うし、されると嬉しいし、返されるともっと嬉しい気分になれる。大きな声で挨拶すると心が元気になると思う。(高校3年)

この気持ちを知ることができてよかった

5年生の時までは、廊下ですれ違った先生に自分から挨拶ができなかったり、声が小さくて相手に届かなかったりすることが良くありました。6年生になってからは、気持ちを入れ替えて、挨拶を頑張ろうと思い、すれ違った先生に自分から挨拶することができています。すごく当たり前のことですが、しっかりと声を出して相手に届く声で挨拶をすることは、こんなにも気持ちの良いものなんだなと、毎日感じています。気持ちの良い挨拶をすると、自然と笑顔になることができるので、とても明るい気持ちになれます。卒業して、大学、そして社会に出る前に、この気持ちを知ることができてよかったと思います。そして、私も校長先生のように「忘れられない挨拶」に出会えるように、丁寧な挨拶を心がけていきたいと思いました。(高校3年)

西遠の素敵な挨拶習慣

西遠の挨拶についての細かい指導は今になって本当に自分のためになったと感じています。プリントを回すときの「お願いします」「ありがとうございます」は、皆もついつい外でも言ってしまうと話していて、それってとても素敵だなと思いました。生徒総会での執行部の方の「挨拶するのが恥ずかしいのか、しないのが恥ずかしいのか、分かるはずです」という言葉がとても心に残っています。大人になってもちゃんと挨拶できる人でありたいです。(6年)

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こうして中学1年生から高校3年生までの感想を知ることができるのも、中高一貫校ならではだと思います。12歳にとって同じ話を聞いた18歳がどんなことを考えたのかはとても興味深いでしょうし、高校生にもなると、今まで何度も話を聞かされてきたことについていろいろ思い返すということも可能になります。年齢が上がるにつれて、思いも深まったり、自身の成長を確かめることもできたりします。「挨拶」ひとつとっても、そこには、一人一人の思いがあり、エピソードがあり、決意があります。こうした生徒の感想は、こうしてブログで紹介するだけでなく、講堂朝会などでも広く生徒に紹介していきたいと思います。

3連休が終わり、明日は登校再開です。学園中が元気な挨拶であふれる5月となりますように。