たそがれどき

夕暮れの時間、西の空のグラデーションが美しく、思わずカメラを取り出しました。

講堂と図書館と17歳の像。
葉をすっかり落とした合歓の木。
陸上部の練習も終わったグラウンド。
視線を上げれば、アクトタワーがすっくと立っています。
そして、アクトタワーを包み込むような空の暖色のグラデーション。
この風景を見るたびに、贅沢な至福の時を過ごしているなと思います。
家庭学習中も登校し、日々受験勉強に励む高校3年生が、ちょうど下校するところでした。
記念に一枚。

黄昏(たそがれ)とは、暗くなって友の顔が見えないことから「誰そ彼」(たそかれ)と言ったことが言葉の起源と言われています。
生徒の顔もちょっと見えにくいけれど、黄昏時ということでお許しください。
ちなみに、夜明け前のこうした薄明るい、ぼんやりした時間は、「かわたれ(彼はだれ)どき」と言います。
この言葉に出会ったのは、何年生の時だったか…。
とある詩を読んだ時に、ことばの意味を知り、「かわたれどき」「たそがれどき」という日本語に独特の美しさを感じたことを覚えています。
風景にも、ことばにも、美しさを感じられるひとときがあることを、大事に思っていきたいものです。