小さな白板2022 第17週

夏休み明けの図書館で、「小さな白板(ホワイトボード)」再開致しました。前半は、休み明けすぐに実力テストに果敢に挑戦する生徒たちに向けて、心を込めて短歌を選びました。一方、後半は、悩める10代へのアドバイスシリーズです。

8月29日(月) 腕時計をしたままついた日焼跡 夏から僕への伝言みたい  木下侑介

夏休みに別れを告げる一首です。腕時計跡、日焼跡を見て「夏が何か僕に言いたかったんだな」と思った作者のように、誰もが夏からもらった日焼けの跡に何かしら思いを抱いていることと思います。部活を頑張った達成感?草取りを頑張ったご褒美の日焼け?遊び過ぎた自分への戒め?・・・日焼けの跡をひと夏の誇りにして、学校再開の日々を目標を持って過ごしていきたいですね。

8月30日(火) 
  すいみんがしゅうふくしてくれると信ず/細胞、身体、脳、のすべてを  今橋 愛

実力テスト、そして中学3年生は学力判定試験、皆さんおつかれさまでした。疲れたあなたのすべてを「すいみん」がきっと「しゅうふく」してくれますよ! 

8月31日(水) 
 コロナに明けコロナに暮れて皆へろへろ元気を出さう 終はらぬ事など無い   松川洋子

「短歌研究」3月号でこの短歌に出会ったとき、本音の「ヘロヘロ」に共感し、「元気を出さう」の呼びかけにうんうんとうなずきました。最後の「終はらぬ事など無い」がすごく好きです。そうです、元気を出しましょう!

9月1日(木) こころにも手や足がありねむるまえしずかに屈伸運動をする  笹井宏之

笹井さんの短歌は、優しくて、切なくて、はかなげです。こころに手や足がある、という想像力が笹井さん独特の世界だなあと思います。心って、本当に屈伸運動や整理体操をしているかもしれませんね。そう信じたくなるような一首です。

9月2日(金) 成功は、99パーセントの失敗に与えられた1パーセントだ。  本田宗一郎

そろそろ、学園祭準備に悩みだ出すであろう皆さんに、アドバイスシリーズ! 一日目は、遠州が生んだ偉人、やらまいか精神の達人「本田宗一郎」さんの言葉を贈ります。失敗を恐れないで、どんどんトライしましょう。本田宗一郎さんと西遠は同じ1906年生まれです。

9月3日(土) 
困っていいんです。とことん困ると、何か新しいものが出てきます。困るというのも才能なんです。                      宮崎駿

アドバイスシリーズ2日目は、ジブリの宮崎駿監督の言葉を書きました。「困る」って大事なことなんですよ。困って時こそ、新たなアイデアと出会うチャンスなのです。

宗一郎さんや駿さんの言葉から、「失敗しない安全ゾーンにいる」ことよりも、「失敗する」「困る」ことの方が前進するエネルギーになっていることが分かりますね。

ジブリさんより「常識の範囲内でお使いください」とありました。謹んで活用させていただきます。

以上、9月初めの「アドバイスシリーズ」でした!