殉難学徒慰霊式

5月12日(金)、本日、西遠では「殉難学徒慰霊式」が行われました。生徒会主催の大切な学校行事です。

今から78年前、太平洋戦争末期の浜松は、連日爆撃に遭っていました。そんな中、動員学徒として軍需工場に通っていた西遠の生徒29名と引率教員1名が、4月30日と5月19日の空襲で命を落としました。

殉難学徒慰霊式は、30名の皆様のご冥福を祈るとともに、二度と戦争を起こしてはならないと平和を誓う大事な式典です。毎年、舞台は、生徒たちが持ち寄った花で飾られます。今朝は、花を持ち寄る生徒たちの姿で一日が始まりました。

生徒も先生も花を供えます。その花を運んで、プランターに活ける役目を担うのが、中高生徒会執行部です。

たくさんのプランターが花でいっぱいになり、講堂に運ばれました。昨日放課後から慰霊式の舞台が準備されました。「平和」が花言葉の花デイジーに模して折り鶴が飾られ、青いハトは生徒たちの笑顔の写真が集まって形作られています。

今日は、3時間目に高校、4時間目に中学の慰霊式が行われました。生徒会長による「私たちの平和宣言」では、日々の生活を精いっぱい過ごすこと、他人を尊重すること、平和に貢献できる人になること、この慰霊式を継続していくこと等が宣言されました。

全校生徒が書いた「平和の作文」の代表者による朗読が行われるのも、この慰霊式の長い伝統です。中学では、1年生は戦争体験者からの聞き書き、2年生は「東京が燃えた日」を読んだ感想、3年生は太平洋戦争についての岩波ジュニア新書を読んで作文にまとめます。高校生は、岩波ブックレットや原爆についての本、新聞などをもとに、平和についての考えをそれぞれまとめるのです。

東京大空襲について本を読んだ2年生は、春休みの家族旅行で東京に出かけた折、本に出てきた上野や浅草を回ったそうです。ご家族の協力もあって戦争を深く考えることができました。中高ともに、今月開催される広島でのサミットに触れた作文もあり、生徒たちの「今」を考える力を感じました。

今回、校長として、私は中学と高校では違う話をしました。中学では、中1の生徒がお借りした資料から、中国の奥地で兵士として体験した過酷な戦争の日々を生徒に紹介しました。高校生には、それぞれの立場で「できること」を考えようというお話をしました。その中で、ある女性の投書を読ませてもらいました。西遠の卒業生であり、私にとっては職場の先輩でもある乾初江先生の文章です(毎日新聞の有料記事ですが、こちらから読むことができます)。初江先生が自分にできることとしてご自身の思いを新聞に投書した行動は、後輩である私の心を大きく動かしました。私も自分の立場でできることをしなくてはと改めて思いました。生徒の皆さんはどんなことを考え、行動しようと思ったでしょうか。

今日は、テレビ静岡や静岡新聞・中日新聞の取材を受けました。テレビや新聞を通じて、或いは花をもって登下校する生徒の姿から、西遠生の行動が周りの方々にさざ波のように「平和」を広げていってくれることを願います。