「祖母ロン」読了

4月20日のブログ「気になる本、読みたい本」で紹介したうちの一冊、椹野道流さんの「祖母姫、ロンドンへ行く!」(略して「祖母ロン」!)を読みました。今日は年1回の病院での検査の日でしたので、検査のおともにこの本を持っていき、待合室で読了。幸せな読書タイムでした。

まるでお姫様のように上品で堂々としている素敵なおばあちゃまと、イギリス留学経験のある孫の筆者との珍道中。筆者は、この二人旅の思い出を、おばあちゃまを「祖母姫」、自身を「秘書係」または「バッド・ガール」と呼び、生き生きと綴ります。あたたかい気持ちになる一冊で、私は病院で吹き出しそうになったり、泣き出しそうになったり、忙しかったです。

おばあちゃまは80代。「ロンドンに行きたいわ」と呟くおばあちゃまの願いを叶えようと、親戚の皆様が計画した内容は、ファーストクラスの飛行機での往復、空港からのタクシー予約、最高級のホテル滞在!こんな夢のまた夢のような体験を、おばあちゃまのエスコートゆえに体験してしまった筆者! その戸惑いも楽しいですし、そこでの素敵な出会いの数々が、ホスピタリティの極意に触れるようで、読んでいるこちらまでがワクワクし、幸せな気持ちになれるのです。

私も娘&息子とイギリスに一度だけ旅行したことがあります。この祖母姫と秘書係のような「極上」の優雅な旅程ではありませんでしたが、「オペラ座の怪人」を観劇したことだけは共有できて、嬉しくなりました。もちろん、人生経験豊富なおばあちゃまのお目の高さには到底敵いませんでしたが…。

おばあちゃまはもうこの世にはいません。筆者には旅の間にも、そして旅のあとにも、たくさんの後悔があると書かれていますが、でも間違いなく、おばあちゃまは筆者との旅でたくさんの幸せや満足を得たはずです。極上の思い出を心行くまで周囲に自慢して、それをお土産話にして天国に行かれたことでしょう。そして、今も筆者を温かくも厳しく見守ってくれているのだと思います。

含蓄のあるおばあちゃまの言葉にハッとさせられた箇所が何度もありました。明日はその一つを「小さな白板」に書こうと思います。祖母姫からのメッセージ、生徒の皆さんにも届くといいな。