恩師の訃報

西遠に長くお勤めになられた鈴木常弘先生が、8月29日、病気のためご逝去されました。96歳でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。

常弘先生は、おっとりとした口調でいつも穏やかにお話をされる先生でした。
「和田・中ノ町地区」の担当の先生でしたので、生徒時代の私は地区の先生として常弘先生に6年間大変お世話になりました。在学中に授業を教わる機会はありませんでしたが、西遠に就職してからは、国語科の大先輩の先生として、温厚に、そして、丁寧に、新米教師の私にご指導くださいました。悠然としてお話される先生は、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」に出てくる「決シテ瞋ラズ」を彷彿とさせる佇まいでした。
常弘先生がご尽力された活動として、殊に印象深いのは、CSS活動です。中学3年、高校1年が市内の施設でボランティア研修をする活動の先頭に立ち、情熱を傾けていらっしゃいました。多くの施設との連絡や交渉、生徒指導など、並々ならぬご苦労があったことと思います。福祉や友愛の心を熱くお持ちの先生でした。

これは、2019年の学園祭の折、OG・OB教員の集いにご出席された時の集合写真です。

この時、すでに90代の常弘先生(前列左からお二人目)はとてもお元気で、矍鑠としておられました。お孫さんのことなどを、いつもどおりの穏やかな口調で、私にもお話しくださいました。

天寿を全うされたとはいえ、恩師であり大先輩の先生とのお別れは、やはりしんみりと寂しいです。きっと今頃、多くの卒業生の方々が常弘先生とのお別れを惜しんでいることでしょう。

常弘先生、長い間、本当にありがとうございました。西遠の全人教育にご尽力くださいましたことに心から感謝申し上げますとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。これからもどうぞ学園をお見守りください。