社会科の教員として長く西遠にお勤めくださった池ヶ谷久先生が、8月13日に逝去されました。
77歳でした。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

池ヶ谷先生は、昭和46年4月に西遠に赴任しました。平成8年からは中学部長として、中学部の教育の充実に尽くされ、中3のオーストラリア研修旅行を企画・実施されました。当時、中学生が海外に皆で研修に行くというのはかなり斬新な企画で大きな話題になりました。海外研修を推進した池ヶ谷先生の緻密な計画力・実行力・統率力に、中学部の教員として先生のもとで働いていた私は大いに影響を受けました。
平成18年からは教頭職に就かれ、創立100周年記念行事の先頭に立たれました。生徒募集の役目も担い、「いつも新しいという伝統」を合言葉に、学園の教育活動のアピールをしてくださいました。
平成20年3月の定年退職後も、5年間日本史の非常勤講師として生徒の学力向上にご尽力くださいました。
私にとっては、中高6年間、学年についてくださった恩師として、忘れられない先生です。
中2の歴史の授業は本当に楽しかった! 軽妙な話術で、歴史をさっき見てきたかのように説明し、笑わせながら小声で「ここ、テストに出すぞ」と言って、ニカッと笑う…。それを「今、確かにテストに出るって言った!」と急いでノートに書き留め、☀マークをつけるのが私の勉強法でした。池ヶ谷ファンであった私は、歴史の先生になりたい、と本気で思い、高3の秋まで「史学科」を目指していました。
生徒会の顧問として、大変お世話になったことも得難い思い出です。高2から高3の任期中には、生徒会の組織を大きく変えることになり、その規約改正を担いました。今、私が生徒会のことをうるさく言うのは、池ヶ谷先生の弟子だからにほかなりません。そのくらいみっちり仕込んでいただき、感謝しております。
セブンスターズという教員バンドで、フルートやサックスを担当されていたことも、卒業生には忘れがたいことでしょう。私の昔のアルバムに、こんな写真が…。
不鮮明なものですみません。サックスとフルートを演奏する池ヶ谷先生(昭和50年)です。バンドメンバーだった中林先生は、中2の私たちの担任で、その年度末に退職されたのでした。クラスで開いたお別れ会に、サプライズ出演してくださったセブンスターズ。内緒で練習した歌「時計」をセブンスターズの演奏に合わせてクラスみんなで歌い、退職する先生にプレゼントしました。サプライズ企画を最初に持ちかけてくださったのも池ヶ谷先生でした。2年梅組とセブンスターズだけの贅沢な思い出です。
池ヶ谷先生の字のファンでもあった私は、一生懸命、先生の書く素敵な字に近づこうとして、中高を通じてかなり努力しました。小学生時代に通っていた書道の塾の頃よりも真面目に…。
いろいろな角度で、私を引っ張ってくださった恩師です。
厳しいご指導もいただきましたが、今思い出すのは楽しかった思い出ばかりです。2月生まれの結束の固さも、無類の犬好きであったことも、お孫さんの話題で嬉しそうに笑う表情も、変なジョークも、今ではとてもいとおしいです。
池ヶ谷先生、長い間本当にお世話になりました。ありがとうございました。
どうぞ安らかにお眠りください。
先生のお通夜は、17日(日)にパルモ葬祭浜松貴賓館で行われます。