図書館入り口の「小さな白板(ホワイトボード)」、第2週は3連休明けから昨日までの4日間でした。
1月13日(火)
裸木のわきにとまったママチャリもだれかを待っているたたずまい
中島港人

冬の何気ない光景ですが、樹木の脇のママチャリも誰かを待っているように感じられる、そうした心の動きが作者にあったのでしょう。見る景色も、見る人によって違うものに見えるのだと思います。作者は今、誰かと待ち合わせしているのかもしれませんね。それとも、人恋しい思いを抱いてぼんやりと街の景色を見ているのでしょうか。
1月14日(水)
踊り場の真中(まなか)で一度てのひらの鍵をちやりんと握りなほしぬ
斎藤美衣

ふと不安になって、その存在を確かめたくなる時ってありますね。鍵は自身を守るものでもあります。大事なものを握りしめる作者。ちやりん、という音が、他には誰もいない踊り場にこだましていることでしょう。
1月15日(木)
花梨のど飴静かに溶けてゆくあいだこの部屋は誰の水槽だろう
笹川諒

のど飴が溶けていく間、そのじわーっとした感覚を確かめながら、この部屋は「水槽」だ、誰の水槽なのだろう、と想像する作者。飴をなめるだけの些細な行動を、こんなにも繊細に表現できる…その豊かな感性を私も育てたい、とガサツなオオバは思いました。今週の白板は、静謐な世界が多いですね。冬の寒さに似合うのでしょう。
1月16日(金)
失くしてきたのは失くしてもいいものばかり 真冬の朝の淡さの、虹の
山本夏子

共通テストを前に出陣式が行われたこの日、受験生たちを鼓舞するよりも、なんだか安心させたい気持ちで、この短歌を書きました。はかなく消える虹のような、いつかはなくなってしまうものって多いはず。失くしてしまうことを恐れないでいいんだよ、と作者が静かに語りかけてくれたように感じました。
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今日、午後5時半に見えた景色です。きれいな色!明日も天気になーれ!


