第28週の「小さな白板(ホワイトボード)」は、人々のつぶやきを中心に。週末は短歌を掲載しました。それでは、28週のラインナップをどうぞ。
7月13日(月)
私は自分の物語や芸術、創造のプロセスを共有するのが好き。ミスをしても、それらが失われるわけじゃない。それでも何かが残る。それでも物語になるの。悪い物語もやはり物語であり、それは美しいと思うから。
アリサ・リウ

アリサ・リウは、この2月に行われたミラノ・コルティナ冬季オリンピックの女子フィギュアスケートの金メダリストです。彼女の考え方は素晴らしいなと思って、メモしておいた言葉を白板に書きました。ミスしたからすべて失うわけでない、悪い物語だって美しいと思う、と。一つの失敗でメダルや頂点を逃し、涙にくれる選手が多い中で、彼女はその失敗すらも美しいと考える心の持ち主。その精神こそが彼女を強く輝かせたのではないでしょうか。この考え方に学ぶところは大きいと思いました。
7月14日(火)
生徒たちを見ていると、みんなが創作者になってくれたらいいな、と思います。詩歌でも小説でも、書くと自分が見えてくるから。世界を発見できるから。
千葉 聡

ちばさと先生こと千葉聡さんの去年11月のつぶやきから。生徒たちに創作者になってほしい、それは自分が見えてくるから、そして世界を発見できるから、とちばさと先生はおっしゃいます。私も似た願いを持っています。生徒の皆さん、何か書きませんか? 小説や詩や短歌は難しくても、チャレンジは大事! 文章で、言葉で自分を表現できる人になってほしいなあ。AIに書かせちゃだめだよ。不器用でも自分自身の言葉を並べてみることから始めましょう!
7月15日(水)
日本語を学ぶという営みは、一本の木を慈しみ、育てることによく似ている。だが、その一樹の枝葉にのみ目を奪われてはならない。専攻の垣根を越え、他者と交わり、多様な知性に触れること。その対話の積み重ねが、眼前に広がる広大な「森」を形作るのだ。
毛丹青

翻訳家で大学教授の毛丹青さんを知ったのは、国語の問題集でした。彼の日本語のエッセイは、優しいまなざしにあふれていました。つい最近、旧ツイッターで彼のつぶやきを読み、そこにも素敵な言葉があふれていたので、書き留めた中の一つです。日本語を学ぶことは、一本の木を育てることに似ているが、枝葉にとらわれていてはだめで、文化や歴史、分野を越えて出会う人々の知性など、視野を広げていかなくてはならないというこの言葉は、もしかしたらどの学問分野にも通じるのではないか、さらに人の生き方にも通じるのではと思いました。
7月16日(木)
私たちの生活は同じことの繰り返し。仕事にしても学業にしても家事にしても。時にそうした日常が嫌になることもあるでしょうが、淡々と繰り返される毎日の中に「生きる喜び」があるのです。日々の繰り返しの中にこそ「学び」があるのです。
入澤 崇

日々の暮らしの繰り返しの中にこそ、「生きる喜び」があり、「学び」があるという入澤先生(龍谷大学理事長)の言葉。今月、旧ツイッターで出会った言葉です。今回、講堂朝会の感想を綴った集会記録の中にも、そこに気づいた人が少なからずいるのを感じましたので、とてもタイムリーなつぶやきを掲載させていただきました。日々の学びを大切にしていきたいです。
7月17日(金)
【普通】という言葉は人を救ったり苦しめたりしますが、でも普通は一つではなく無限です。だからこそ色んな普通があることを僕たちはもっと分からなくてはいけない。そして、色んな普通の一つ一つは結局【特別】です。
松山ケンイチ

「先生、これってもしかして、あのドラマの…?」と尋ねてくれた人が幾人かいました。そうです、この言葉は、NHKのドラマ「テミスの不確かな法廷」の最終回放映後に、主役の松山ケンイチさんが出したコメントの一部です。周囲に理解されない孤独を幼いころから抱え、「僕は宇宙人だ」と思いながら育った主人公が、裁判官として、不器用でも誠実に問題に対処していく姿、そして変わっていく周囲の人々…。「普通って何だろう?」ということについて考えさせられるドラマでした。5月15日の白板には、このドラマに登場する精神科医の山路先生(和久井映見)の言葉も書きましたが、たくさん気づきのあるドラマでしたので、再放送されたらぜひ見てください!
7月18日(土)
紺色に夏は来たりぬあさがほはみなひとつづつしづかな泉
齋藤美衣

週末は、中学入試説明会がありました。夏らしい短歌を掲載しました。齋藤美衣さんは、繊細な表現で美しい短歌を書く方だと思い、「世界を信じる」という歌集を購入しました。紺色の夏、朝顔は泉…。心の眼を清らかにし、静かに周りを見渡してみたい、と思わせる歌です。
7月19日(日)
人も犬も疲れて夏を籠るとき大き傘なす庭の芋の葉
長澤ちづ

今日も、説明会です。暑い中ご来校くださり、帰りに図書館を訪ねてくださる方々をお迎えする歌として、この短歌を書きました。あまりの夏の暑さに心身ともに疲れてしまいますよね。真夏日に室内にこもって涼を取っている作者に、庭の大きな芋の葉っぱが目に飛び込んできたのでしょう。傘のように大きな芋の葉は、真夏の暑さを忘れさせてくれる、癒しのようなものかもしれませんね。
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昨日、そして本日と、「中学入試説明会」にお越しくださいました皆様、お暑い中、本当にありがとうございました。夏休み中のイベントや9月のオープンスクールなど、またお目にかかれる日が早く来ますことを楽しみにしております。

