8月17日〜20日に第55回全日本中学校バレーボール選手権大会が長崎県諫早市と大村市で実施されました。
本校チームは、2年連続6回目の全国大会出場となり、東海ブロックのチャンピオンとして強い覚悟を持って九州に入りました。
16日は移動日で17日が開会式となりました。
開会式会場となる大村市体育文化センターは、とても大きく素晴らしい会場でした。
全国から集う大型選手とその保護者のサイズ感に圧倒されながら中に入ります。
先発の座席確保部隊が必死にキープしてくれた特等席に座り開会式のリハーサルを見ながら昼食を取ります。「全国に来た」という実感が湧く瞬間です。
16:00になり定刻通り開会式がスタートします。地元中学生の力強いアナウンスでチームが紹介されブロックごとに選手が入場してきます。東海ブロック代表として本校チームも名前を呼ばれ入場してきました。
昨年もそうでしたが、この瞬間がたまりません。生徒達の頑張りが報われ、影で必死に支えてくれた保護者の思いを考えると勝手に熱いものが込み上げてきます。地元の男女代表チーム主将による素晴らしい選手宣誓を聞き、改めて「声と笑顔の全力バレー」をやり抜く覚悟を決めます。
翌18日からいよいよ予選グループ戦がスタートしました。本校チームは、山形県代表の山形第3中学校と対戦しました。1番のエースが最高到達点285cmという超スーパーエースで要注意選手です。
公式練習を終え場内アナウンスが入り試合開始です。相手1番を徹底マークしてサーブ、ブロック、レシーブで対応します。東海大会までの戦いである程度のスパイクには慣れてきたつもりです。しかし、このエースは今までの対戦相手とはちょっと違いました。高さ、強さ、上手さなどの全てが、かなり高いレベルで打ち込んできます。ブロック&レシーブの連動で必死に対応しますが、上げ切ることができません。善戦しましたが0-2のストレート負けとなり敗者復活戦に回ります。
対戦相手は、岡山の名門、就実中学校です。本来なら「よし、絶対やってやる」となるところですが、生徒達も保護者もついでに私も表情が固くみんな無言で弁当を食べます。
「就実か〜厳しいなぁ」「いや、諦めるな」心の声が止まりません。
そして、予定時刻より遅れて敗者復活戦が始まります。
予想通り、かなり高い打点からスパイクが打ち込まれます。試合の流れは完全に就実。やはりいつも通りが通用しない世界なのか。タイムアウト、メンバーチェンジを繰り返します。サブのメンバー達が、いつも通りの声と笑顔でいつも通りのプレーを心掛け何とか流れを変えようと必死です。ありがとう。
1セット目を15点で落とし2セット目に入ります。
私からの指示は「ゆっくり」それだけです。ブロック、トス、サーブ等でとにかく「間」を作り相手を焦らす作戦です。テンポの速いバレーをするチームには効果がある時もあります。
作戦成功。ハマりました。間を取ることでブロックも通過点の勝負ができるようになり、オープントスから緩急を駆使した攻撃が面白いように決まります。そして、コート後方から打ち込む山なりのロングサーブに就実が苦しみます。声と笑顔の全力バレーが復活です。
このセットを20点で取り返し勝負の3セット目に入ります。作戦継続でテーマは「ゆっくり」ここまで作ってきた観察と徹底が少しずつ就実を追い込みます。しかし、ゲーム終盤で徹底が揺らぎ相手の勢いが復活。名門の追い上げを必死で逃げ切る西遠。24-20 24-21 24-22 24-23 1点がこんなに遠いものなのか。
そして、ついにその時が。エースが、レフトオープントスをクロスに叩き込み25-23で就実を撃破。決勝トーナメント進出決定です。
毎度の事ながら生徒も保護者も私も大興奮でぐちゃぐちゃです。全国で1勝。それも名門就実から。本当にすごい事をやってくれました。
19日の決勝トーナメントは、地元長崎県代表の聖和女子との対戦です。地元の大応援団の大音量をバックに怒涛のコンビバレーで攻め込んできます。本校は、いつも通りスローバレーでじっくり対応します。しかし、勢いある攻撃を全て上げ切る事ができず1セット目を17点で落とします。
2セット目は、中盤まで競り合う展開となりましたが、最後は20点で力尽き0-2のストレート負け。全国ベスト16で終了です。2ヶ月に渡る熱い夏の戦いがついに終わりました。
「感動をありがとう」この夏、何人の方からこの言葉を頂いたことか。
生徒達の本気の取り組みが、多くの方々に感動を与えることができました。本当に良かったと思います。
そして、今大会も保護者の方々には、多くの場面で支えて頂きました。
座席確保、食事の手配、氷とドリンクの確保、毎日の洗濯部隊、生徒と私の送迎、応援グッズの準備、そしていつも通りの全力応援。本当にありがとうございました。
また、全国出場に際し、多くの方々からご支援とご声援を頂きました。皆様からのプラスの声掛けで生徒達は「声と笑顔の全力バレー」を全国でやり抜くことができました。ありがとうございました。
多くの方々に支えられて3年生は、笑顔で引退することができました。
本当にありがとうございました。
















文責 中村智広