アンドリュー・ワイエス

昨日、豊橋市美術博物館まで行ってまいりました。
ここを訪れるのは2度目。
1回目は、安野光雅さんの「旅の絵本」展でした。

今回は、「アンドリュー・ワイエス 水彩・素描展」が目的です。

どうして、豊橋はこんなにオオバの好きな人を取り上げてくれるのだろう…。
心から感謝です。
実は、少女時代(ちゃんとオオバにもありましたよ、少女時代)、私の勉強部屋に一枚の絵がかかっていました。
それは、新聞のたぶん日曜版にどんと出ていた一枚の絵でした。
その絵には、風に翻るレースのカーテンが描かれていました。
風の描ける画家がいるんだ、といたく感動して、その絵を新聞から切り取り、カレンダーの裏に貼リ、絵の下に「アンドリュー・ワイエス」と画家の名をマジック書きして、部屋の壁に貼ったのでした。
たぶん、高校3年生の終わりまでその絵は部屋を飾っていた記憶があります。
ゴッホとかミレー、ダ・ビンチなどの有名な画家の作品は、百科事典のおかげでいろいろ知ってはいましたが、
作者を度外視して絵に魅せられたのは、アンドリュー・ワイエスが初めてでした。
実際にワイエスの絵を愛知県まで見に行ったのは、
調べてみると、1995年のようです。
春休みでした。
初めて本格的な美術館に子供たちを連れていったのですが、
その春小学生になる息子も、結構静かに見学したのを覚えています。
残念ながら、私の原点となるレースのカーテンの絵には会場では出会えませんでしたが、
図録にその絵を見つけ、「海からの風」という絵であることを知りました。
それからまた数年がたち…、
東京でのワイエス展に、大学生になった娘と待ち合わせて出かけました。
この展覧会は、NHKの「日曜美術館」でも取り上げられ、今も録画を録ってあります。
そして、この展覧会が愛知県に巡回してきたとき、ワイエスの訃報が飛び込んだのでした。
91歳で彼が亡くなったのは、2009年1月16日でした。
愛知の会場で、天国のワイエスにメッセージを書こう!という企画があったのを覚えています。
展覧会の後、何かが当選して、我が家にワイエスのポスターが届きました。
ワイエスさんから間接的にプレゼントをもらったわけです。
今回は、テンペラ画ではなく、素描が中心の展覧会でしたが、
「海からの風」の習作が何枚も描かれていて、
とても興味深いものでした。
素朴な中にも、写実に徹していて、妥協しないようなタッチのワイエスの絵。
オルソンハウスというメーン州の一軒の農家が、彼の絵の主たる題材です。
「海からの風」も、このオルソンハウスの窓だったことが分かりました。

「海からの風」習作のクリアファイルがありましたので、迷わず購入(左上)。
私の生まれた年の作品が一筆線になっていたので、こちらも購入(手前)。
「海からの風」のポスターが「完売」だったのが残念でした…。
代わりに、清水の舞台から飛び降りる思いで、コスモスのポスターを一枚購入。
どこへ貼るんだ??衝動買い…笑。
(美術館の売店では、店員さんが忙しそうだったので、もう一人のおじ様に「5番のポスター買いたいです」と言ったら、なんと前館長さんでした!失礼致しました!!親切に説明してくださり、感謝感激でした!)
華やかさなどないワイエスの絵の中に、
水色だけが明るく使われているのですが、
今回も何枚か水色が描かれた絵が展示されていました。
彼にとって、水色ってどんな意味があったんだろう…?
この展覧会は、8月21日までです。
生徒の皆さんで「文化芸術鑑賞記録」に何か書きたいな、と思っている人、ぜひ豊橋に出かけ、ワイエスさんの絵を見て思ったことを書いてほしいです。