花の栞 その2

「花の栞」第2回目は、ツツジです。

浜松市内には、ツツジが道路沿いあるいは中央分離帯に植えられていて、浜松まつりが行われるゴールデンウィークにちょうど見ごろを迎えます。車で走ると、道の両側にピンクや赤、白のツツジが咲き乱れていて、まさに「おもてなし」の花だなと毎年思います。

今年は浜松まつりも中止となってしまい、寂しいゴールデンウィーク(もうGWに入った、とマスコミは言ってるけど、私は29日からだと信じている…。)になりそうです。ツツジも、じゃあ早めに咲いてもいいね、と言っているよう。今年の開花は、ほかの花と同じく、少し早いですね。

ツツジが、静岡県の「県花」だということはご存じですか? ちなみに、東京都の花はソメイヨシノ、お隣の愛知の県花はカキツバタ、沖縄県はデイゴです。ツツジを県花にしているのは、と調べますと、栃木県「ヤツオツツジ」、群馬県「レンゲツツジ」、鹿児島県が「ミヤマキリシマ」(ツツジの一種)で、いずれも〇〇ツツジと限定されているのですが、静岡県だけ、ただのツツジ(おおらかだなあ!)。ツツジは、実に多くの種類を持っていて、シャクナゲもツツジの仲間なんですね。よくサツキとの違いを問われますが、ツツジが先で、サツキの開花は5月だそうです。ツツジは春の季語、サツキは夏の季語とか。

西遠にもツツジはたくさん咲いています。中でも一番のツツジは、愛の灯像の後ろに控えたツツジでしょう。

純白の像、青い空、緑の木々、そこにピンクのツツジが加わるこの季節が、愛の灯像が一番華やかに彩られるときです。 1945年4月30日、5月19日の空襲で亡くなられた動員学徒29名と引率の先生1名を偲んで 建立されたこの像。平和な時代であったなら、亡くなられた方々もツツジを愛でて笑い合うことができたことでしょう。慰霊式を前に満開になるツツジは、私たちに平和の尊さを伝える花でもあります。一時、このツツジの木が弱ってしまい、短く刈り込まれたこともありましたが、今はまあるく美しく復活し、今年も元気に咲いています。

最後に、ツツジを漢字で書いてみましょう。「躑躅」…ちょっと読めないかも。そうそう、Eテレの「0655」内の「すごい漢字」という歌でこの躑躅を取り上げていますので、よかったらご覧ください。他の漢字もなかなか難解です。