高校生へのメッセージ ~講堂朝会~

今日は、高校の講堂朝会でした。今日、私が用意した訓話は、「あなたが得るもの、後輩に伝えるべきもの」です。中高6か年の生徒が集う西遠で、高校生の皆さんに、自身が学園生活の中で得てきたものは何か、そして、それを後輩たちにどう伝えていくのか、ということを考えてもらいたいと思いました。

西遠で学んでほしい4つの力「知識」「スキル」「人間性」「メタ学習」の4つの中で、今日は特に「スキル」と「人間性」について説明しました。そして全体を振り返れば「メタ学習」の視点も得られるのではないかと考えました。

西遠では、生徒の皆さんに、行事の中で「21世紀型スキル」を獲得してほしいと考えています。この「21世紀型スキル」は、世界基準です。と言っても、日頃こうした力を意識してつけよう!なんて思っている人は、たぶん多数派ではないでしょう。しかし、気づけば、このスキルを自分のものにしている、そういう成長を遂げられるのが、今回のOMO学園祭などの学園行事なのです。実際に、学園祭HR展を完成させる過程で身についたと思われる「21世紀型スキル」を、生徒の皆さんから寄せられた感想文の中に私はいくつも発見することができました。

例えば、ある生徒は、自身のHR展の準備について、こう振り返っています。

制作物は、私は常夜灯を作りました。ダンボールである程度の形を作り、そこに粘土を貼っていきました。粘土を貼ったあとに、常夜灯を立てたら、斜めになっているのに気づき、すごく悲しかったですが、ダンボールの中に新聞紙をたくさんつめて、ダンボールを丈夫にしたり、ガムテープを補強に貼って、なるべく真っ直ぐに立っていられるようにしました

彼女の振り返りの中には、制作物の失敗をどう修正し、補強するかが綴られていますが、ここには「21世紀型スキル」の中の「1.創造とイノベーション」「2.批判的思考・問題解決・意思決定」の獲得が見られます。常夜灯を斜めにしないようにするために、彼女の見つけた手法が確立できれば、次からは同じやり方を踏襲し、さらに工夫を重ねて、危機回避ができます。それは「3.学び方の学習・メタ認知」にもつながります。

このような観点で、自分自身の思考・行動を分析してみることを、私は生徒の皆さんに勧めます。一つの行事が終わった時、自分は何を得たのか、ぜひ振り返り、意識し、新たな課題と目標を見つけてほしいと思います。

次に、「人間性」。西遠の「心と行いの教育」は、「入寮の作法指導」「姉妹ピア活動」「平和教育」などたくさんあります。その中で、今日は、「自治の心と行動を育てる《生徒会活動》」を取り上げました。生徒会活動は、主権者としての基礎を育てることに直結するからです。

この話の中で、先月末に行われた衆議院選挙の投票率に触れました。全国の投票率が55.93%、全国19歳投票率 35.04%、全国18歳投票率 51.14%に対し、西遠の18歳投票率は今回82.7%でした。全国の若者たちを大きく上回る投票率です。とはいえ、2017年の前回衆議院選挙で91.8%を記録したことを記憶する私たちにとっては、投票率の低下を感じさせる数字でした。今回の衆議院選挙では、若者への投票を呼び掛ける動きもあり、全国の18歳。19歳、そして全国の投票率も少し上向いています。投票行動を促した運動の一つとして、VOICE PROJECT の「投票はあなたの声」の動画を改めて視聴してもらいました。(せっかく皆さんに動画を紹介したのに、音声が出なかったり、他の音声が被ってしまったりして、うまく上映できなかったことをお詫びします。プレゼン技術の至らなさを反省。うまく行かなかったときにこそ、成長しなくちゃ、自分。)

主権者としての力も含め、高校生の皆さんに訴えたかったことは、高校生の姿を見て、中学生は成長しているということです。自身が獲得した力を、次はどう後輩に伝えていくべきか、行事・生徒会活動・部活動など様々な活動を通して、ぜひ考えていってほしいと思います。

講堂朝会への感想、待っています。