小さな白板2022 第12週

本日(6月27日)、西遠は「代休日」となっております。ご了解ください

図書館入り口に掲げた「小さな白板(ホワイトボード)」、6月20日からの週は、私がお休みをいただいていた関係で、24・25日の2日間です。

6月24日(金)  さとうきび畑に今も風が吹く「ざわわ」は命の軋(きし)む音なり  佐藤幹夫

6月23日は「沖縄慰霊の日」でした。今年は、小学2年生の徳元穂菜さんが詩『こわいをしって、へいわがわかった』 を朗読、平和をずっとポケットに大事に入れて、絶対落とさないように、失くさないように、忘れないようにする・・・幼いながらに一生懸命に平和の大切さを訴える内容が心に響きました。

「さとうきび畑」という歌は、皆さん一度は聞いたことがあると思います。♪ざわわ ざわわ ざわわ♪で始まるこの歌を、私はちあきなおみの歌で聞きました。ウィキペディアには1975年にちあきなおみの「さとうきび畑」が「みんなのうた」に登場したとありますので、その時ですね。その後、森山良子さんによって、広く親しまれるようになった「さとうきび畑」、ドラマにもなったと記憶しています。「ざわわ」は命の軋む音、佐藤幹夫さんのこの短歌を昨年12月12日朝日歌壇で見つけた時、胸に響いたのがこの表現でした。77年前、沖縄では一般市民が数多く巻き込まれて「太平洋戦争での日本唯一の地上戦」が行われ、たくさんの命が奪われました。この歴史を、サトウキビ畑を吹く風に感じる。無言の風が過去のたくさんの死を伝える。沖縄の人々が抱える苦悩を、私たちはもっと近くに感じなくてはならないと改めて思いました。

6月25日(土) 夏くれば広がる視界 わからないことばかり でも空だってそうだ 小島なお

「短歌部、ただいま部員募集中!」(岩波ジュニアスタートブックス)という本の中で見つけた短歌です。この本は、小中学生にもわかりやすく、短歌の魅力を伝えています。この本の筆者が、千葉聡さんと小島なおさんなのです。夏到来、広がる司会の中で、自分に自信を持てないとき、うつむくのではなく、空を仰いで、空だって分からないことをいっぱい抱えているんだ、と感じられたら、大らかな気持ちになれますね。皆さん、悩んだら、夏空を見上げましょう。