授業はじめに語ったこと

昨日の「授業はじめの式」では、
夏休みを振り返ってお話ししました。
お話しした内容や、その先の思いなどを今日は書きたいと思います。
一つ目は、部活動のこと。
大会報告で賞状やトロフィーが講堂の演台に並びました。
この夏も優勝や入賞を目指して、たくさんの人が頑張りました。
もちろん日本中の中高生がそれぞれの大会などを目指してしのぎを削ったわけです。
たった一枚の賞状にたどり着くことができる人はわずかで、西遠でも、多くの人は頑張りが届かず悔しい思いをしたり、涙を流したりしたことでしょう。
しかし、たとえ賞状に届かなくても、何か形の見えない財産がその人の中に残ったはずです。
部の仲間と切磋琢磨しながら頑張った日々や、
自分の限界に挑戦して壁を突き破った瞬間など、
人生の財産をたくさん得たのだと思います。
そして、自分を応援してくれる人の存在や、
自分よりももっと頑張っている人の存在も知ることができたなら、
感謝や思いやり、自身の視野の広がりというものを得ることができたのではないでしょうか。
部活動という一つの居場所で、確実に成長した夏であったことでしょう。

2つ目は、学習環境のこと。
この夏休みは、新しい形で始まった夏期講習と新J力養成道場で、たくさんの生徒が勉強に励みました。
講習や自習の日々を有効に過ごせた人は、何か自信を得たのではないでしょうか。
鏡の言葉「できないのではない。ただやろうとしないだけだ」や、
私が本で出会った瀬谷ルミ子さんの「やらない言い訳をしない」という言葉のように、
自分自身に厳しくあること、選択肢があったら苦しい方に身を置いてみること、…そういうことを、夏休み後の生活の中でも、ぜひ考え、実行してほしいと思っています。

3つ目は、戦争のこと。
「8月に戦争に関するテレビ番組や新聞、ニュースなど、何か見ましたか?」
という質問を全校に投げかけてみました。
そして、数名の生徒に、司会の白井先生にインタビューしてもらいました。
「ニュースを見ました」
「原爆展に行きました」
といった答えが返ってきました。
他の皆さんは、もしマイクを向けられたら何と答えたのでしょう。
私は、サーロー節子さんの本や、彼女がメッセージを送った映画「ひろしま」のことについて話しました。
このことは当ブログにも書きましたから詳細は割愛しますが、
長く眠っていた映画「ひろしま」の存在を今夏初めて知り、今まで全く知らなかったことがショックだったこと、
その映画ができるまでに広島の市民が数多く尽力し、全国の先生方も協力したこと、
生徒の皆さんにも機会があればぜひ見てほしいこと等を伝えました。
そして、夏休みを終えて、自分自身が見つけた新たな課題についてもお話ししました。
 ①新しくなった広島の原爆資料館を訪ねること。
 ②身近な存在である父母の戦争体験をの改めて取材すること。
この二つが私の夏休みを終えての宿題です。
夏休みの宿題が終わっても、そこから次の課題も生まれます。
一生、課題探究は続くんですね。
もちろん8月だけ戦争のことを考えればよいということではありません。
今後もしっかりと知識を得て、自分の意見を持って、平和を守る若者であってほしい、これが生徒の皆さんへの、私の大きな願いです。

訓話の後、大掃除中に、中学2年生が「先生、私、お父さんと『ひろしま』見ました!」と声をかけてくれました。
とてもうれしかったです。
また、「テストが終わったら、録画していた戦争の番組を見ます」と語ってくれた高校生も。
生徒が、私の呼びかけに応えてくれるのがとても頼もしく、そしてまぶしく感じました。
保護者の皆様のご協力がそこにあることも、本当に有難く感じています。