気候変動の中の動物たち

世界的な気候変動が報じられています。
オーストラリアでは、干ばつが原因となった大規模な山火事により、多くの動物が生命の危機、絶滅の危機にさらされています。
コアラやカンガルーの救出のニュースや動物たちへの募金のニュースが見られますが、「カモノハシ」にも絶滅の危機が迫っていることを知りました。
  →記事はこちらこちらから見られます。
カモノハシというと、一人の卒業生を思い出します。
51回卒のIさんは、カモノハシ大好きな生徒だったので、ずいぶんカモノハシ愛を語ってもらい、彼女のおかげでカモノハシに詳しくなりました。
カモノハシが門外不出で、オーストラリアでしか見ることのできない動物であることも、Iさんに教えてもらいました。
確か彼女はカモノハシについて鳥羽水族館に電話して聞いたことがあると記憶しています。
その後、初めての中学3年オーストラリア研修旅行に行った私は、シドニー水族館で泳ぎ回るカモノハシに興奮して、しばらく展示水槽の前を動けなかったことを覚えています。
そのカモノハシに、絶滅の危機が迫っています。
Iさんは、このニュースを知って胸を痛めているのではないかしら。
気候変動は、どこかの国の特殊な事情などではありません。
日本にも様々な異変を起こしています。
皆さんはヤマネという小動物を知っていますか?
「不思議の国のアリス」にも登場する動物で、
日本にも二ホンヤマネが生息しています。
山梨県の清里にある清泉寮には「やまねミュージアム」があり、私も訪れたことがあります。
そのヤマネにも危機が迫っています。
昨日の毎日新聞は、雪の中で冬眠するヤマネにとって、積雪がないことは大きな危機で、「ヤマネが過酷な気象にさらされ、死んでいる可能性がある」と報じていました。
  →こちら毎日新聞のサイトは有料部分があるので、全部見られないかもしれません。あしからずご了承ください。
ミュージアムの湊(みなと)秋作館長も、
「花を食べる時に授粉を助けるので、森林をつくる役割がある。食物連鎖の上位に位置しており、森林の象徴的な動物でもある」
とヤマネの存在の大切さを訴えています。
実は、この湊秋作館長は、かつて西遠でご講演くださったことがあるのです。
2004年のことです。


2004年12月7日、当時は「女性学講演会」として、環境問題をテーマにした講演をお願いし、湊秋作先生にご来校いただいたのでした。
先生は、「ヤマネと田んぼから、環境へ」と題して、ヤマネの生態や「ねぼすけ」と言われる理由、ヤマネの保護のための「やまねブリッジ」建設などの活動をお話しくださいました。
「やまねブリッジ」は、今や世界各国に広がって、動物たちのための橋が動物保護の観点から次々作られています。
昨年暮れにはEテレの「0655」という番組内の歌「リスがわたる」で各地の動物ブリッジが紹介され、「やまねブリッジ」のことを思い出した私でした。
ヤマネの本は、西遠の図書館にもあります。

湊さんが書かれた本です。
蔵書点検が終わったら、ぜひ図書館でヤマネという愛くるしい小動物の秘密を探ってください。
動物保護は、その動物の生態の理解から始まるものだと思います。
オーストラリアの、日本の、そして世界中の愛くるしい動物たちが、21世紀の今、気候の急激な変動に苦しめられています。
気候変動の大きな原因を作っているのは、私たち人間です。
このままではいけない、という思いがまた強くなりました。
皆さんは、こうした動物たちの危機をどう感じますか?
今日の鳥は、ジョウビタキです。
キ、キ、キ、という鳴き声が聞こえ、外を見ると一羽のジョウビタキがいました。

小さな動物の姿には、純粋さや健気さを感じて、いつまでも見ていたくなります。
しかし、こうした鳥たちにも気候変動の影響がきっとあることでしょう。
私にもまだ分からないこと、知らないことがたくさんあります。
動物たちに関するニュースをこれからもしっかり知っていきたいと思います。