明日、西遠では「殉難学徒慰霊式」が行われます。太平洋戦争末期の1945年4月30日と5月19日の浜松への爆撃で、動員学徒として工場で働いていた西遠の生徒29名と引率教員1名の命が奪われました。戦後、西遠には、殉難学徒の霊に捧げる「愛の灯」像が建立されました。

戦争中の悲しい歴史を風化させることなく、平和な世界を作っていこうと、西遠の生徒から生徒へと引き継がれている行事が、この慰霊式です。戦争が終わって80年という節目の年を迎え、今年の生徒会は、この慰霊式を特別な思いで迎えようとしています。
その一つが、同窓生や関係者の皆様から「折り鶴」を提供していただこうという呼びかけでした。白い折り鶴が、たくさんの方々から今日までに寄せられました。郵送の方も、袋に詰めてお届けくださった方も、何度もお越しくださった方も…本当にありがとうございます。折り鶴をお届けくださいました皆様のお名前が記された表を見ると、お世話になった先輩の名前、知り合い、教え子、そのお嬢さんの名前まで見つけて、私は感激しています。
また、お花屋さんにも、売れ残りのお花を提供していただけませんか?というお願いを、高校生徒会が行いました。その訴えに、心を寄せてくださった方々がたくさんいらして、お花屋さん、卒業生の方々、近隣や一般の皆様からも、今日色とりどりのお花が学園に届きました。18時過ぎの学園にも続々お花が届き、皆様のお心が嬉しくてなりません。
今日の放課後は、明日の慰霊式に向けて、生徒たちが準備に励みました。講堂の舞台に折り鶴が飾られ、図書館下では、お花がプランターに活けられました。
図書館下での作業の様子です。


昼前からオアシスを浸しておいたプランターは…→ →たくさんのお花でいっぱいになりました!
講堂の中では、高校生徒会執行部によって、皆様がご協力くださった折り鶴を使った飾り付けが行われていました。

白い折り鶴がふんだんに使われた舞台装飾。これらはほんの一部です。

舞台づくりの合間を縫って、「平和宣言」や司会の練習も行われました。
皆、明日の慰霊式を成功させたいという熱意を持って取り組んでいます。たくさんのご協力を得たことが、生徒たちの背中を押しています。明日は朝から、今日の夕方届いたお花と生徒の持ち寄ったお花をプランターに生ける作業が待っていますが、うれしい早起きになりそうですね。
戦時中、勉強したい気持ちを抑えて日々労働に励み、「力の限り」をいつも応援歌として口ずさんでいた方々の日々を想う時、「平和とは何か」を考えさせられます。明日の慰霊式では、全校生徒が「戦争」「平和」「命」「未来」を自分事として捉え、式に臨んでほしいと願っています。戦後80年という節目の年の慰霊式、他にも例年とは違う企画が用意されています。また、ご報告致します。