中学2年生が12月6日の土曜プログラム「夢を拓くキャリア講座」で出会ったのは、パラアスリートの小松沙季さんです。「人として、女性として、いかに生きるか」をテーマに、小松さんから貴重なお話を伺いました。

小松さんは、ブレス浜松でも活躍したバレーボール選手です。引退後、病気のために車イス生活となりました。
授業の最初は、「車いすユーザーとして見た世界」。様々な街の風景が、実は車いすユーザーには不便であったり、利用できなかったりすることを、生徒たちは知りました。コインパーキング、温泉施設、舗装道路も。ユニバーサルトイレでさえ、ボタンや水道に手が届かなかったり、バーが邪魔になって移動しにくかったりという実情がありました。「昔より便利になって、みんなが暮らしやすい社会になっていると思ったのに、そうじゃなかったんだ」と生徒たちは、驚き、新たな視点を得ました。


後半は、小松さんの今までの人生を振り返ります。小学2年生から始めたバレーボールでは、いろいろなチームに属し、その環境ではつらつと頑張ってきたことがうかがわれました。中学、高校、大学と、その選択肢を振り返りながら、小松さんは「その時の自分に掛けたい言葉」も紹介してくださいました。「大事なのは、何を選ぶかではなくて、選んだあとの生き方」という言葉が、私自身の心に残っています。
26歳で出会った「パラスポーツ」の世界。2021年パラカヌーの選手となって臨んだ5月のワールドカップで5位となり、その年の東京パラリンピック大会に出場! さらに2024年のパリパラリンピック大会の代表となるも、試合当日、体調を崩してドクターストップがかかり、棄権せざるを得ませんでした。
そんな彼女が次に出会ったのが、陸上競技のやり投げです。今年4月にやり投げ選手となって、7月に世界選手権の標準記録を超え、この11月のナガセカップで日本新記録を樹立しました。その活躍ぶりに、生徒も、先生方も、「えー!!」とびっくりの連続です。
そんな私たちに、小松さんはこう呼びかけました。「人生で唯一返ってくるのは、これまで自分が投げてきたボール」であると。

質問タイムには、次々生徒たちの手が挙がりました。「心が折れそうになった時は?」「もしこれから他のスポーツに挑むとしたら?」…一つ一つの質問や感想に、小松さんは大きくうなずき、共感してくださいました。

アドバイスを聞く生徒たち。「ワクワク、大事ですよね!」「失敗してもいいんですよね!」
中学2年生の表情がどんどん輝きます。あっという間の100分授業でした。


最後に、講演のお礼に西遠グッズをプレゼント、とても喜んでくださいました!
小松沙季さんの挑戦する姿勢、ワクワクを大事にする姿勢に、中学2年生は大いに感動し、背中を押されました。この話を聞いて「良かった」で終わらせるのではなく。ここをスタート地点にして歩みを始めることが大切なのだと思います。
小松沙季選手、素晴らしい授業をありがとうございました。ご活躍をみんなで応援します!中学2年生たちの成長もぜひ見守ってください!

