小さな白板2026 第35週

8月から9月へ。図書館入り口に掲げた「小さな白板(ホワイトボード)」第24週のラインナップです。今週のキーワードは「秋」。短歌を選びながら、ちょっともの悲し気な気持ちになったオオバでした…。

干したシーツを取り込むとき、それが風からもらった花束みたいに感じられた、という歌。目に浮かぶ光景ですね。夏から秋への季節の変わり目を感じました。東京歌壇2025年10月12日掲載。

9月の最初は「そして秋」から始まる短歌を。秋空に風の音、それが早馬のように感じられたというこの歌は、「百人一首バトル」という本の中で栗木京子さんが選んだ100首の中のひとつです。秋のエネルギーを感じました。

皆さんは秋の到来をどんなところで漢字ますか?平安時代、藤野敏行は、「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」と歌いました。目にははっきりと見えないけれど、風の音で秋を感じる、というこの和歌はあまりに有名です。現代に生きる作者は、足踏みミシンを踏んだときに足裏にひんやりと冷たさを感じて、「あ、秋だ」と思ったのでしょうね。生活の中に発見する「秋」という季節、それを短歌に表せたら素敵だなと思いながら、私も秋探しをしています。
こちらも、「百人一首バトル」より。今年の2月に読んでいて、ブログにも紹介した本です。現代歌人の良い歌がたくさんあって、短歌っていいなと胸躍る本です。

笹川さんの感じる「秋の到来」は、「造語のような涼しさ」です。秋は、作った言葉、新しい言葉みたいに軽やかに(重々しくなく)来るってことかなあ、と想像しながら書きました。秋がどう近づいてくるのか、という感じ方・考え方も、人ぞれぞれ。ただ、笹川さんは、ホントに寂しくないんだろうか?もしかしたら「寂しくないんだ」と自分に言い聞かせているのかもしれませんね。

日暮れは「しずしずと」来る、人が何をしようとしまいと…。忙しい日も、所在ない日もありますが、しぜにゃ時間の流れは、そんなことにお構いないのだと思うと、人間のちっぽけさ、自分の悩みが案外小さいんだということも感じます。

秋を感じる短歌が続きましたが、オープンスクールで小学生の皆さんが学園を訪れてくれる土曜は、俳句にしました。
この俳句は、今年の俳句甲子園の最優秀句で文部科学大臣賞を受賞した作品です。
すごい俳句だ!やられた!と思いました。明日には今日が昨日になるなんて、当たり前のことだけど、それを正面から言い切る強さ、「泳ぐ」で締める潔さ。すごい高校生だなあと思ったら、彼は、少し前の短歌の大会でも実力を発揮してました。来週のはじめに下谷君の短歌を書きますね!