殉難学徒慰霊式

 今から68年前の昭和20年、太平洋戦争も終わりに近づいた4月30日と5月19日 の両日にわたって学徒動員先の工場が爆撃を受け、私達の先輩29名と引率の教員1名の尊い命が奪われました。今日は、亡くなられた方々の御霊を慰めると共に私達のような戦争を知らない世代が戦争の悲惨さを再確認し、平和を守っていく決意を新たにするため、ここに慰霊式を行います。(慰霊式開式の言葉より)
今日は、その殉難学徒慰霊式です。生徒たちは祭壇に捧げる花を家から持ち寄って生徒会の準備した講堂の祭壇に捧げます。

朝早くから生徒会の生徒とフラワーアレンジメントクラブの生徒が持ち寄った花で祭壇の飾りつけをしてくれました。

慰霊式の内容
1.開会の言葉
2.力の限り
学園の歌のひとつである「力の限り」は動員学徒の皆様が日々心の支えとして歌われた歌です。
3.黙祷

4.ビデオ上映

戦争を知らない生徒たちに、戦争そのものを理解し、考える材料のひとつにしてもらうため、浜松の戦火について特集したビデオの上映をします。
5.富郎先生のお言葉
 学園長、岡本富郎先生は29名の動員学徒の皆さんと引率の先生の死を悼み、昭和34年、学園に「愛の灯」像が建てられました。岡本富郎先生はこの像の碑文に、教え子の尊い命を失った悲しみと平和への祈りを込められました。その碑文を、富郎先生ご自身の朗読の録音で聞きます。
6.校長先生のお話
 今日の式には、浜松ユネスコ協会の方々にもご参加いただいておりましたので、歴史認識について触れられ、正しく知るということの重要性とユネスコの活動とのつながりについて話されました。そして生徒の皆さんには、こうした式や活動を通して将来の平和の砦となっていってほしいという願いを話されました。
7.慰霊の言葉

生徒を代表して生徒会長の小野加奈子さんが慰霊の言葉を述べました。
8.「愛の灯」の歌
 ここで動員学徒の皆様に捧げる愛の灯の歌を歌います。
9.作文発表
 代表者による「平和を考える作文」の発表を行います。今回の代表は、こちらの3人です。
    1年 深澤輝子さん    3年 平川可奈子さん    6年 野本絢美さん


 1年生は「戦争体験者の話」を聞いて、3年生は岩波ジュニア新書の平和に関する本を読んで、6年生は「研修旅行での平和教育を体験して」「近隣諸国との関係」「核と原子力」「平和のために生きる女性」のいずれかの題材から作文にまとめたものです。
10.閉会の辞
まもなく戦後70年が経とうとしている今、日本を取り巻く国際情勢は緊張が高まっています。これからを生きていく生徒たちが、平和の願いを実現する判断をし、より良い世界を築く担い手となってくれることを願う1日でした。

文責 杉田 利通