女子校って面白い! 11

今、高校3年生は家庭学習の期間に入っています。
授業も終わり、センター試験に向けて頑張った日々も過去のものになりました。
今は、それぞれ私大や国公立の試験に向けて、毎日頑張っています。
登校して勉強に励む生徒も大変多く、先生方のサポートを受けながら、希望の大学への合格を目指して、日夜努力を重ねているのです。
ここに、昨年の終わりに、ある6年生から渡された「集会記録」があります。
講堂朝会の感想をまとめた「集会記録」は、各クラスの生徒数名分が学年主任から私に届けられるようになっていますが、
彼女は、冬休みに入ってから、「遅くなって申し訳ありません」と手渡しで届けてくれました。
そこには、彼女の6年間の思いがこもった文章がありました。
「女子校って面白い!」シリーズの11回目は、6年間を西遠で過ごした生徒が、卒業を前にこんな想いを持って過ごしている、というところをご紹介したいと思います。
 私は西遠の短調の校歌がとても気に入っています。私は他人とかぶることがあまり好きではありません。どこの学校ともかぶらない西遠の校歌を6年間歌ってこられたことを誇りに思います。甲子園も好きで、球場まで足を運ぶほどです。高校球児が胸を張って歌う校歌は、とてもかっこよく聞こえます。西遠の校歌が甲子園で流れたら、その場にいる観客や相手チームはどんな反応をするのだろうと、観戦に行くたびに考えます。きっとニュースで取り上げられると思います。でも、西遠の校歌は女子が歌うからこそ良さが出るのだと思います。私が中学生の頃は、高学年の人数が多く、6学年で講堂朝会をやったり、終業式や始業式をやったりすることがなかったため、全校で校歌を歌う機会がありませんでした。最近の集会で全校で校歌を歌う時に、声のボリュームに鳥肌が立ちます。6年生になり、6学年入場をするときは最前列に座るので、後ろから来る下級生の歌のパワーに圧倒されていました。もう6学年入場でお話を聞くことはほぼないと思うとさみしいです。
 学年集会ももう終わってしまいました。6年間、杉田先生の熱いお話を聞くことができて良かったです。その時その時、私達に足りていないものを指摘してくださったり、励ましてくださったり、叱ってくださったりして、とても心に響くお話でした。学園長先生と校長先生のお話もたくさん聞けて良かったです。講演が多い西遠はとても幸せです。
 西遠は中高一貫の女子校で、6年間友人も先生も変わらないし、校則は厳しいし、アルバイトとかもできないから、社会勉強できなーい、という人もいますが、私は、講堂朝会や学年集会、特別集会が、私達に社会勉強をさせてくれていると思います。授業とは違う内容で、でもおちゃらけていない、真剣な内容です。難しい社会情勢を私達に分かりやすく教えてくれるし、女性としてのマナーやエチケット、社会に出てからの生き方のヒントを教えて下さる場だと思います。私達生徒のことを大切にしてくれる西遠が大好きです。
 卒業後も、先生方に近況報告したいですし、後輩の頑張りも見たいので、絶対遊びに来ます。制服を着て、黒髪で、制靴を履いて、制カバンを持って、あと何回門をくぐれるか、あと何回停止礼ができるか、しみじみと考えてしまいます。卒業まであとわずか、西遠のあたたかさを感じながら、勉強に励み、過ごしていきたいと思います。

6年間の思い出のこもった学園を彼女たち6年生が巣立つのは、3月6日です。
制服、制靴、制カバン…。
全てのものを今、愛しく感じているのではないでしょうか。
旅立ちの日が近づくにつれ、彼女たちの心の中に、「女子校で過ごした日々」がかけがえのないものとなって大きな比重を持つようになることでしょう。