西遠「必読図書」とは?

西遠では、西遠生としてこれだけは読んでくださいという本を「必読図書」として、中学1年から3年まで各3冊提示しています。
これは、読書も人生の勉強の一つであるという考え方のもと、中学時代に幅広い視野と豊かな感受性を身につけることを目的として選定したものです。
ラインナップを紹介しましょう。
1年「ガラスのうさぎ」「若草物語」「シートン動物記」
2年「東京が燃えた日」「坊っちゃん」「ファーブル昆虫記」
3年「アンネの日記」「しろばんば」「女性の品格」
これらの本の選定基準、分かりますか?
まず、各学年第1に配置された本は、「平和を愛する心」を育みたいという願いを込めて選ばれています。
高木敏子さんの実体験が書かれた「ガラスのうさぎ」、
東京大空襲を丹念に取材した早乙女勝元さんの「東京が燃えた日」、
そして、第2次世界大戦中、ユダヤ人迫害を逃れて隠れ家で暮らした少女アンネが書き綴った「アンネの日記」。
家族を空襲や爆撃で奪われた高木敏子さんは、その時12歳。
息がつまるような隠れ家での生活を日記に綴ったアンネは15歳で亡くなりました。
同年齢の彼女たちの体験や思いを、生徒に知ってほしい、受けとめてほしいと願っています。
そして、「東京大空襲」の事実をしっかりとうけとめて、戦争がいかに理不尽なものなのかを知ってほしい。
戦争を知らない、豊かな時代に育った生徒たちだからこそ、読まずに通過してほしくない3冊なのです。
そして、「若草物語」「坊っちゃん」「しろばんば」の3冊は、「名作に触れてほしい」という思いから選ばれました。
外国文学、日本文学、そして郷土の文学の代表作品です。

「シートン動物記」「ファーブル昆虫記」は、理科の分野から選ばれました。
自然の中でたくましく生きる動物たち、
優れた知恵を持って生きる昆虫たちの生態を知り、
「命」「環境」「自然」について考えることを願っています。
女の子は虫が苦手な子が少なくありませんよね。
「ファーブル昆虫記」で虫の面白い生き方を知って、
少しでも「苦手」「嫌い」という思いが薄まり、
生物への興味が広がるといいなと思います。
バッタやトンボを「怖い」なんて言ってたら、世界が広がらないですもんね。
「女性の品格」は最も新しい必読図書です。
オシャレと品性をはき違えていませんか?
心遣いについて考えてみよう…、
新書ではありますが、読みやすい一冊として加わりました。
「女性の生き方を考える」という観点から選ばれた一冊です。
「若草物語」「アンネの日記」にも、この観点は生きています。
卒業生の方の中には、「あれ、私の中学時代は他の本だった!」と言う人もいると思います。
もちろん、必読図書にも変遷があるんです。
先生方は「必読図書」について毎年話し合いをしています。
手に入りにくくなった本、内容が古びてしまった本はないか。
〇〇について考えるうえで、もっといい本、最適な本がないか…。
ですから、これからも必読図書のラインナップ、変わる可能性はあります。
西遠には「西遠生にすすめる本」というリストもあります。
こちらは、何百冊もあるので、ここには書き切れません。
例えば、絶版になってしまったので、必読図書から引退して「すすめる本」になったものも。
「祖母・母・娘の時代」「東京大空襲」などがそうです。
書店で手に入りにくくなっても、図書館や学級文庫に並べてありますので、
絶版となった本でも大事に読んでもらいたいと思っています。
私は、以前、海外旅行中に「祖母・母・娘の時代」を読みました。
中3の担任だったので、必読図書を読まなくちゃと思い、旅行先に持って行ったのです。
この本は「女性史」の本です。
日本の女性史を、祖母の時代、母の時代、娘の時代として、とても丁寧にたどっています。
異国の地でこの本を広げた私。
日本の女性たちが明治・大正・昭和と歩んできた道を読みすすめていたら、
つい最近まで女性のこんな権利が認められていなかったのだ、
こんな不自由や理不尽と女性たちは闘ってきたのだ、
今こんなに不自由なく過ごしていられるのは大勢の先人たちの苦難と努力のおかげなのだ…
と、どんどん胸が熱くなりまして、
乗っていた飛行機の中で私は思わず落涙いたしました。
忘れられない「必読図書」です。
今は「西遠生にすすめる本」となりましたが、
お家の本棚にその本が眠っている卒業生の方がいらっしゃいましたら、ぜひともお嬢さんや姪っ子さんに薦めてあげてくださいませ。
オオバお勧めの一冊です。

西遠の図書館には、「必読図書」や「すすめる本」とシールの貼られた本が、今日も生徒たちを待っています。
そろそろ年度末。
中学生の皆さん、まだ読んでいない必読図書はありませんか?
上に書かれた選定基準をよく理解して、
2月、3月の読書記録に書けるように、早めに手に取ってくださいね!