部活動について考える 4

昨日は、高校2年生の部活動への思いを紹介しました。
今日も、ある高校2年生の感想を紹介します。
併せて、中学2年生の感想も掲載します。
実は二人は姉妹。
同じ講堂朝会を聞いて、偶然二人共クラスで感想を提出することになりました。
それぞれに書いた「部活への思い」、ぜひお読みください。
〇私は、オーケストラ部で5年間部活動の時間を過ごしました。そして3週間前、引退前最後の演奏会がありました。5年間は長いようで、あっという間に過ぎてしまったように感じます。同級生との友情、先輩や後輩との絆、目標に向かって一生懸命努力することの大切さ、うまく演奏できない時の悔しさ、先生や友達に「上手だったよ」とほめてもらえた時の嬉しさなど、この5年間で、演奏の技術面だけでなく、本当にたくさんのことを知り、得ることができました。どれも私にとって大切な宝物ですが、その中でいちばん大切なものは、やはり同級生です。5年間一緒に頑張って来た仲間だからこそ、一緒にいる時間は楽しくて幸せだし、「これが青春なんだな」と思いました。辛い決断をしなければならなかったり、悲しい別れをしたこともあったけれど、良いものも悪いものもすべて合わせて、かけがえのない思い出だと私は言い切れます。この前の演奏会では、みんなと演奏できるのが最後だと考えたらいろんな思い出が蘇ってきて、曲の最後の方では涙が止まりませんでした。1年生の時からオーケストラ部ではない違う部活に入っていたとしても、5年間でたくさんの思い出を作ることができたかもしれません。だけど、私はオーケストラ部に入ってよかったと心から思います。そしてそんなふうに思わせてくれた仲間に出会えてよかったです。卒業しても、この友情を大切にしていきたいです。
 もう一つ、オーケストラ部に入ってよかったと思うことがあります。それは姉妹で一緒に部活ができたということです。私と妹は3歳離れているので、地元の中学校や公立高校に進学していたら、同時に同じ部活に在籍することはできません。西遠だったから、2年間同じ部活に在籍して一緒に演奏することができたし、家で部活の話で盛り上がることができました。姉妹で同じ部活に入っている人はあまりいないだろうけれど、自分達姉妹にとっても家族にとっても、大切な思い出になることは間違いないので、是非お勧めしたいです。

(高2の姉)

〇私の入っているオーケストラ部は創部してから50年以上が経ちます。50年という長い年月の中には、たくさんの先輩が大切にしてきた伝統があり、それを私たちがつないでいかなければなりません。先輩方が創り上げてきたものを私たちの代で途切れさせないよう、同じ部員同士で協力していきたいです。
 私の姉は、同じオーケストラ部に入っていて、先日の東京での演奏会が、姉妹で演奏できる最後の演奏会でした。姉は、私が部活でうまく演奏ができないと、いつも優しく演奏の仕方を教えてくれました。姉との仲も、部活があったから今までよりも深くなれたと思います。部活で、同じ学年との結びつきを深めるだけでなく、姉妹での結び付きも深められるということをこの2年間で学ぶことができました。姉はもう引退してしまったけれど、姉の背中を目指してこれからも頑張りたいです。
 私は、部活を通して、みんなで一つの音楽を創る楽しさ、難しさ、達成感などをたくさん得たいと思っています。曲は一人だけでは成り立ちません。いろんな楽器と人が団結するからこそ、一つの音楽が出来上がります。私はその曲が出来上がった瞬間が大好きです。だから、部活を通してこれからもその気持ちを味わっていきたいと思います。そして、私が部活を引退する時に「充実していたな」と思えるように努力していきたいです。これが、校長先生の「宿題」に対する私の「答え」です。

(中2の妹)


姉妹で同じ部活。
素敵ですね。
お姉さんが書いていたように、3つ学年が違うと、中高一貫校でなければ一緒に登校するチャンスもありません。
一緒に通学し、しかも、同じ部活動で「一緒に演奏する時間」を持てたということは、2人にとっても、ご家族にとっても、かけがえのない、素晴らしい月日だったことでしょう。
姉妹で同じ部活に所属している人、少なくないようです。
お姉さんがあこがれの対象であり、背中を追いかけて妹も進んでいく。
姉は部活で得た宝物を整理し、妹にバトンを渡し、部活動の未来を託していく…。
素敵な絆ですね。 
私自身も3つ違いの妹がいて、一緒に西遠に通いました。
クラブは全然違うところに所属しましたけれど、
一緒に黄色いラインが着られたこと、
一緒に通学できたことには、誇らしい気持ちもありました。
校内で面と向かうと、ちょっぴりくすぐったかったなあ…。
何分いい姉ではなかったので(笑)、よく母に叱られてましたが、
少しでも姉らしいことをしたんだろうか???
私の背中なんか見てくれてたんだろうか???
逆に、妹に迷惑かけてたんじゃなかろうか???
…と、集会記録を読みながら、
ちょっぴり自分の青春時代も(反省気味に)振り返ってしまったオオバでした!
講堂朝会では、最後に、宿題を出しました。
「貴女はどんな人になりたいですか?」
「何を学園生活で得たいですか?」
それを考えて、来年度のスタートを迎えてください、と。
4月から、クラブを廃止して、24の部活動が活動を開始します。
クラブ→部となり、活動内容は同じでも、名称が変わるところ、
演劇部のように、中高が合体するところ、
生活探究部のように、2つのクラブが合体するところ…。
そして、「5年生までいずれかの部やクラブに所属しなくてはいけない」という従来の縛りをなくし、
生徒には自由意思で部活への加入を考えてもらうことになります。
一人一人が、部活に入るべきか、何部で頑張るのか、学園生活をどう過ごすのか…この問いと取り組んでいます。
上記のように、もう私からのこの宿題に答えを返してくれた生徒もいます。
まだ迷っている生徒もいるでしょう。
でも、決して焦らず、ゆっくりじっくり考えてください。
4月まであと1ヶ月ちょっと。
このシリーズで紹介した先輩・後輩・友人の思いも是非よく読んで、
部活について、進路について、学園生活について、
自分自身で新年度からの「方向」を打ち出してください。
その一人一人の決意を、学園は受け止め、応援したいと思います。