小さな白板2022 第5週

ゴールデンウィーク中の「小さな白板(ホワイトボード)」。5月2日は図書館閉館日だったので、お休みでした。でも、5月3日(火・祝)は小学生の会員の皆さんが図書館を訪れてくれたので、白板出しちゃいました。ということで、第5週の白板は5月3日、6日、7日の3日間です。

5月3日(火・祝)
ぼくは、あの星のなかの一つに住むんだ。その一つの星のなかで笑うんだ。だから、きみが夜、空をながめたら、星がみんな笑ってるように見えるだろう。すると、きみだけが、笑い上戸の星をみるわけさ。            サン=テグジュペリ「星の王子さま」より

小学生の皆さんの中には、もう「星の王子さま」に出会った人もいるんじゃないかなと思って、この一節を書きました。王子さまが別れに際して「ぼく」に語り掛ける場面ですね。キツネが教えてくれたことを、王子さまは次に「ぼく」に教えてくれたのです。

5月の青空に誘われて、箱根の「星の王子さまミュージアム」に行きたくなりました…。

5月6日(金) 枕木をかぞえていたらみえなくなるみえてくるころ着く別の街   岡野大嗣

岡野大嗣さんの歌集「音楽」より。5月って、どこか旅情を誘う月ですよね。5月になると、萩原朔太郎の「旅上」を思い出します。
 ふらんすへ行きたしと思へども
 ふらんすはあまりに遠し
 せめては新しき背広をきて
 きままなる旅にいでてみん。
 汽車が山道をゆくとき
 みづいろの窓によりかかりて
 われひとりうれしきことをおもはむ
 五月の朝のしののめ
 うら若草のもえいづる心まかせに
この詩に通ずる短歌に出会いました。電車に乗って枕木を数えているのは旅人でしょうか、学生でしょうか。数えられなくなるほどスピードが増して、またゆっくりと電車がスピードを落とすとき、次の駅が近づきます。小さな旅の始まりですね。

5月7日(土)
Melody,life isn’t like the rain / Its just like a merry go round
(メロディ、人生はその雨のようなものじゃなくて、メリーゴーランドのようなものさ)
                   「Melody Fair」より BeeGees

映画「小さな恋のメロディ」(原題「Melody」1971年)を知っていますか。日本初公開の時、私はまだ子供で、映画館で見ることはできませんでした。待ち望んでいたリバイバル上映は私が高校1年生の時でした。松菱劇場だったかな、「ベンジー」というワンちゃんの映画との同時上映でした。ビージーズの曲と美しい映像に心奪われ、サントラ盤レコードを買いました。レコードは今も大切にして保管しています。

5月なので、白板には同じ映画の中の「若葉のころ」という曲の歌詞を紹介しようかなとも思ったのですが、白板で紹介するのが5月1日じゃないしなあと思い(注:「若葉のころ」の原題は「First of May」つまり5月1日)、映画の原題でもありかわいいヒロインの名前でもあるメロディを歌った「メロディ・フェア」にしました。「人生はメリーゴーランドのようなもの」という歌詞もいいですが、曲も素敵です。前奏からいいんですよ。メロディが金魚を買ってくるシーンに載せてこの曲が流れると記憶していますが、トレーシー・ハイド演じるメロディの愛くるしさが際立ち、忘れられないワンシーンです。

…と郷愁に浸ってしまいましたが、みなさんはどんな映画が好きですか? 好きな映画音楽はありますか? 14日には、NHKのBSプレミアムで「映画音楽はすばらしい! Ⅳ」を放送するので、今から楽しみにしております。

ゴールデンウィークも終わりですね。明日からまた「日常」に戻ります。テストも近づきましたので、生徒の皆さん、しっかり勉強に励みましょう! 明日の再会を楽しみにしています。