演劇教室「いつだって青空」

今年度の「演劇教室」として、劇団わらび座のミュージカル「いつだって青空 ~ブルマー先生の夢~」が、本日、西遠の岡本記念講堂にて上演され、全校生徒が鑑賞しました。

主人公は、「日本女子体育の母」と言われた井口阿くり(いのくちあくり)という実在の人物です。明治時代、日本に体育を広めた主人公の奮闘を、教え子たちとの触れ合いや、若き軍人との交流を通じて描いた作品です。スウェーデン体操やバスケットボール、そしてダンス。舞台では、阿くり先生が広めた競技が、エピソードとともに次々紹介されました。歌唱力や躍動的な舞台に圧倒された生徒も多かったことでしょう。

女生徒4名の‎肋木(ろくぼく)での体操は、観劇後、話題にもなり、「すごい腹筋だった!」と生徒たちが驚いていました。
まさか舞台上でバスケットボールが!と驚きのシーンも。

明治時代に「女子体育」の先駆者として数々の無理解や困難を乗り越えた主人公の生き方は、生徒たちにどう映ったでしょうか。普段、当たり前のように体操服に着替えて体育の授業や部活動に励んでいる学園生活が、実は100年少し前には考えられないような状況であったこと。それを「切り拓いた女性」の存在があったからこそ「今」があること。・・・ミュージカルというエネルギーいっぱいの舞台から、考えさせられたことがたくさんあっただろうと思います。私もまた、「ファーストペンギン」としての阿くり先生の姿、不屈の精神やその明るい笑顔に感動しました。

中でも、「いつだって青空」という歌は、阿くり先生にも、女生徒たちにも、そして客席の私たちにも、勇気をたくさんくれる歌でした。その美しい歌声に、涙が出そうでした。

今日の客席にも、阿くり先生はたくさんの「夢の種」をまいてくれたのだと思います。

「夢の種」をもらった生徒から、阿くり先生へ、拍手の中で花束贈呈が行われました。わらび座の皆様、素晴らしい演劇を上演してくださり、本当にありがとうございました。本物の素晴らしさを全校生徒と共に味わうことができ、幸せな、夢のようなひとときでした。

午後5時、大道具など荷物を全てトラックに積み込み、学園を後にする劇団員の方々とご挨拶をし、記念撮影をしました。真ん中に入れていただき、恐縮です!

劇団の皆様は、終演後の友情編集委員や生徒会の取材についても「深い質問をしてくださって嬉しかった」とお話しくださいました。それは、きっと生徒たちの心をつかむ作品だったからこそだと私は思っています。今日の演劇との出会いが、生徒たちにとって、目に見えないステキな人生の宝物になりますように。