秋の花

夏休み明け、レストラン南にモシャモシャッと草茂る一角に気づきました。
草取り掃除のメンバーも、「先生、ここすごい!」とお手上げ状態。
このモシャモシャの生命力には覚えがあるぞ…と思っていたら、
今日、判明しました。
モシャモシャの正体は、萩でした。

ピンクの花がつきました。
我が家でも、萩は、刈り取っても刈り取っても夏の終わりに繁茂します。
すごい生命力のある植物です。
ハギは秋の七草だし、旧浜松市の花でもあるので、このピンク色の花の咲いている間は、モシャモシャしていてもらいましょう。
今日も卒業生が大勢学校を訪ねてきてくれました。
大学生はまだ夏休み、秋じゃないんですね(笑)。

「おばんです」を「おばんさん」と呼ぶ人1名。
「おばあさんに聞こえますけど」と苦言。
まあ、孫もいますから正真正銘おばあさんですけどね!笑

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今日、ドイツ文学者 池内紀(いけうち・おさむ)さんの訃報が届きました。
彼の著作は、現代文の教科書に登場したこともありますし、問題集でお目にかかったこともありました。
また、気さくなお人柄で、時々テレビでもお見掛けし、勝手に親近感を持っておりました。
ご逝去を知り、本棚から、この本を出して、もう一回読んでみました。

「永遠平和のために」カント著 池内紀訳。
数年前にこの本の存在を知り、購入しました。
カントの晩年の著作を、16歳にもわかるように池内さんが訳してくださって世に出た本で、
2015年に復刊されたのがこの青い装丁の本です。
今日、もう一回読み直してみて、ぎくりとする箇所に何度も出会いました。
カントが1795年に記した「永遠平和のために」は、2019年の今読んでも、古びていないのです。
古びていないというより、今の世界情勢への警鐘ととらえることができます。
 地球は球体であって、
 どこまでも果てしなく広がっているわけではなく、
 かぎられた土地のなかで、
 人間は、
 たがいに我慢し合わなくてはならない。
池内さんの解説にも、
「本文を読み出すと、ただちに気が付く。210年前に書かれたとはとても思えない。(中略)いたるところに『現代』が顔を出す。」
と書かれています。
中高生にも読みやすく書かれていますので、ぜひ手に取ってほしいです。
なぜなら、巻末には、カントの言葉が書かれているのです。
「たまには哲学者の言うことに耳を傾けよ」と。
図書館にあるかな?
哲学者の言葉にぜひ耳を傾けてみてください。
池内さんの飾らないお人柄を本の端々に感じながら、池内さんの訃報を知った今日だからこそ、この本を皆さんに紹介したいと思ったオオバでした。