世界人権の日に寄せて

今日は、世界人権の日 Human Rights Day です。
71年前の今日、世界人権宣言が国連で採択されました。
昨年の12月の講堂朝会では、世界人権宣言70周年にちなんで、「人が人らしく生きるために」という題ではお話しました。
パワーポイントを使って、動画も見せながらお話したのですが、生徒の皆さんは覚えているかしら?
  →お時間ある方は、こちらをどうぞ。
    2018年12月のブログ
    生徒の感想掲載のブログ   
パワーポイント資料を、世界人権の日の今日、学園の掲示板に貼りました。
見つけて、足を止めて、読んでくれたら嬉しいです。
私の手元には、「アムネスティ・インターナショナル日本」製の「人権パスポート」があります。
世界人権宣言の条文を谷川俊太郎さんが中心となって訳したものです。

第1条 「みんな仲間だ」
第2条 「差別はいやだ」
第3条 「安心して暮らす」
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第30条「権利を奪う『権利』はない。」
と、宣言の各条文がわかりやすい言葉でまとめられています。
日頃「人権」についてあまり考えたことのない人もいるでしょう。
しかし、あなたの周りで、人権を侵害されて苦しんでいる人がいるかもしれません。
あるいは、あなた自身が今、つらい目に遭っているかもしれません。
誰かの心ない一言に傷ついたり、無視をされたりしている人がいるのなら、
その人を、私たちは今すぐ助けてあげなくてはいけない。
人は、誰もが人らしく生きる権利を持っているからです。
あなたは、「助けて」と言う権利を持っているし、
私たちは、その人を助ける存在でなくてはならないのです。
世界には、満足な生活ができない人々や、戦争や紛争で命の危険を感じながら生きている人々もいます。
国内に目を向けても、LGBTの問題や、日本に住む外国人の人々の境遇、DVや虐待、表現の自由が脅かされる事態…と、問題は山積しています。
災害で避難所に暮らす人々、事件の被害者、勇気を出して声を挙げた人々…、彼らは「ひとらしく」生活できているのでしょうか。
偏見や軽蔑、無理解や拒絶、自分中心で思いやりのない言動が、今、世の中にあふれているようで、悲しく思います。
差別や偏見は、やがて、疎外や憎しみ、争いを生みます。
戦争を引き起こすのは、そうした狭い「心」が始まりなのではないでしょうか。

世界人権の日の今日、人権について、世の中について、静かに、そして深く考えてみませんか?
昨年の講堂朝会の最後のスライドに、私はこう書きました。
 人がひとらしく生きられる社会のために     
   あなたは何を考え、
     どんな行動を起こしますか?

今年もまたみなさんに問いかけたいと思います。

【生徒への連絡】
もし、「アムネスティ・インターナショナル日本の人権パスポートが欲しい」という生徒がいたら、
数冊ありますのでお譲りします。
校長室を訪ねてみてください。
なくなっちゃったらごめんね。