中学講堂朝会「先輩からの伝言」

今日は3連休の真ん中の日、西遠では土曜プログラムを行いました。1時間目は、中学講堂朝会です。今日のテーマは「先輩からの伝言」でした。

今年度、これまで中学生も5回の講堂朝会を聴いてきました。そのうち3回は高校生と共に行った「全校講堂朝会」でした。私は、その集会記録を毎回読んでいますが、高校3年生の集会記録には6年間あるいは3年間の道程が綴られていて、そこにある一人一人の苦悩を経た成長に読んでいる私の方が胸打たれ、様々なことを教えられる気がします。10月28日に高校講堂朝会を終えて、今週その感想やそれまでの感想を読みながら、私は改めて思いました、「私学にとって一番の宝は生徒自身である」と。今日の中学講堂朝会では、西遠の宝である高校生の感想「先輩の声」を伝えたいと思いました。

最初に伝えたのは、学園祭実行委員の先輩たち(高校1・2年生)から後輩たちへのエールです。

  • 行事の裏方がいてくれることで、こんなにも毎年賑やかな舞台が出来ています。ぜひ、実行委員になってみてください。
  • 放課後残らなくてはならなくて大変だと感じると思いますが、学園祭が終わったときには達成感があったり、やりがいを感じたりできるので、めげずに頑張って仕事に専念して欲しいと思います。

忙しさを厭(いと)わず、「裏方」となって働いてみようという呼びかけは、中学生にどう響いたのでしょう。

続いて、高校3年生がこの半年間に書いた集会記録を紹介しました。ここにもその一部を紹介します。

  • ヤマザキマリさんの「10代のうちにやっておくべきことは自分を苦しめ、たくさん失敗をすることです」という言葉にとても共感しました。私は中学生の時にかなり自己肯定感が低く「なんで私はこんなにも色々なことに劣っているのだろう」と自分を責め続けていました。高校生になってから気づいたのですが、こういう思考をしていたから勉強にも身が入らなかったしどんどん気持ちが悪い方に下がっていく一方だったのだと気づきました。約3年間このような思考をし続けて精神的にもとてもつらいことが多くありましたがこの経験は決して無駄なものだとは思っていません。中学生の時のネガティブな私があったからこそ今の高校生の私があるのだと思います。今年は大学受験を控えているため辛いことや苦しいこと、遠回りをしてしまうことがたくさんあると思います。でも受験勉強で培った力が今後に役立つと私は信じています。なのでたとえ辛くて挫けそうになったとしても、めげずに最後まで諦めず挑戦し続け笑顔で卒業できるよう残りの約8ヶ月間を全力で駆け抜けたいです。
  • 西遠に入学した頃は何かにつけて、問題を起こしたくない、何事もそつなく終わればいいというスタンスでいました。しかし、ホームルーム展責任者という立場を経験した時から、徐々にその考え方が変わりました。同じ学校生活を過ごす時間で、私が楽を選んだ時、必ず誰かが苦の部分を引き受けてくれている事がわかったからです。物事を進めていく時、集団だと必ず意見は割れてしまうし、多数意見に引っ張られるため、自分の思った行動が出来ない時もあります。ですが、それらを一旦受け入れて参加しなくては、意見も述べられない事が、経験をしていく中でわかってきました。私自身が楽を選んだし、苦も味わったからこそ気づくことができた事だと思っています。今年は西遠生として学校行事や生徒会活動に携わるのも最後なので、他人事ではなく自分事として、積極的に参加して行きたいと思います。(いずれも4月15日の講堂朝会感想より)
  • 高校3年生という本格的に受験や進路について考えるべきである時期に改めて先輩のお話を聞く(※動画で現大学2年生の「国際カンファレンス」での発表を流した)ことで、私自身も自分の進路について見つめ直してみようと思いました。なぜその職業につきたいと思ったのか、なぜその大学が、学部がいいのか、それとも他の職業にするのか、在学中だからこそ学べるものは何なのか。よく考えてみたいと思います。そして最後の1年間悔いのないように高校3年生を過ごしたいです。西遠で6年間過ごし学んだことに自信を持ち社会を生き、それを後輩たちに伝えていきたいです。(5月20日高校講堂朝会の感想より)

明るくて優しい、エネルギッシュな先輩たちに、実はいろんなことがあったこと。先輩たちも悩みながら、くよくよしながら、歩いてきたこと。その日々を決して無駄だと思っていないこと。何かに悩んだからこそ、発見があり、それを受け入れることで新しい考え方に目覚め、成長していること。…これから歩んでいく道のりを思うとき、生徒の皆さんには、この先輩からの伝言はきっと一つの希望であり、目標であると思います。

中学生の皆さんが、先輩たちからのこうした「伝言」をどう受け止めたのか、週明けの集会記録の提出をゆっくり待つことにしましょう。