小さな白板2024 第12週

学年末の2枚の「小さな白板(ホワイトボード)」を紹介します。

3月18日(月)
本が好き時間も場所もとびこえて運んでくれる本が読みたい
       中村桃子

図書館の春休み前の貸し出し最終日、この歌を掲げました。読書ぎらいが少なくない現代っ子たちですが、一旦本の世界に没入したら、戻ってくるのが嫌になるほど、本は時間も場所も飛び越えてくれるものです。時空を超えて、フランスのルイ王朝時代の三銃士アトスに恋をした私は、彼の最期に何度涙したことか…。皆さんには、「時間も場所も飛び越えて運んでくれる本」がありますか? 春休み、そして新年度、ぜひ読書しましょう!

3月19日(火)
何もない教室 さらに何もなくするのが担任最後の仕事
       千葉聡

令和5年度が終わるこの日、離任する先生もいらっしゃったので、教師側から最終日の一首を書きました。

ちばさと先生のこの短歌を歌集「飛び跳ねる教室」で見つけた時、クラス担任をしていた時代の3月のクラスじまいの日を思い出しました。がら~んとひと気のない教室は、それまでのにぎやかだった1年間の日々と対照的な静けさです。そこにさっきまでいた生徒たちが最後に私物を持ち帰り、教室の中をしっかり片づけて去っていった後の、寂しさと達成感と、子どもたちへの感謝の気持ち…。先生方は、そんな思いを抱きながら、次に使う子ども達のために、すべての色を消し、教室を後にするのです。確かにそこに存在していた1年間の活動、その思い出は、先生と生徒の心の中に刻まれたはずです。

私が今までで一番感動した「学級じまい」、それは、扇形校舎最後の一年を過ごした1年雪組でした。賑やかすぎて、1年間をワイワイガヤガヤ喧騒の中で過ごした感のあるクラスでしたが、最後の日、教員会を終えて誰もいない夕暮れの教室を訪ねた時、あまりに見事に教室が片付いていて、その静けさと教室の整然とした美しさに、思わず涙が出たのを今も覚えています。自分がしてあげたのではなく、子どもたちが自分にこの瞬間をプレゼントしてくれたのだと、何もない教室に教えられて、胸が熱くなりました。

その1雪メンバーが、〇年後、私を訪ねてきてくれたのが2014年でした。中学時代以上にパワフルでワイガヤでした!(訪問記はこちらをどうぞ)

教師はいつも生徒に育ててもらい、支えてもらっているのです。

明日は、第42回卒業生が幹事を務める「同窓会総会 ならびに 同窓の集い」が西遠・岡本記念講堂で行われます。今日はその準備でたくさんの幹事学年メンバ―が母校に集まり、雨の中で準備に励んでくれました。たくさんの同窓生と、恩師の先生方の再会の日です。雨に降られませんように。すてきな再会のシーンがたくさんありますように。