はじめに。
本日、えんてつホールで行なわれました「私立中高一貫校合同フェア」にお越しくださいました皆様、ご来場ありがとうございました。
また、午前中、西遠を会場に行われた「全国小学生テスト」では、講堂にて本校の教育活動についてのプレゼンテーションを行いましたところ、熱心にお聞きくださり、誠にありがとうございました。
次は8日(日)のオープンスクールでお目にかかれましたら幸いです。
図書館入り口の「小さな白板(ホワイトボード)」、今週のラインナップをご紹介いたします。今週は、「歌」「音楽」が隠れテーマでした。
5月26日(月)
遊びをせむとや生まれけむ 今様が現代社会に生きいる演歌
小笠原信之

「遊びをせむとや生まれけむ」とは、平安時代末期の今様集「梁塵秘抄」で一番有名な歌の一節ですね。平安時代の今様と、現代の演歌。千年の時を隔てて共通するものを感じる作者です。
5月27日(火)
「みかんの花咲く丘」を口ずさみゐたるが不意に胸ふたがりぬ
島田修三

♪みかんの花が咲いている 思い出の道 丘の道♪ この歌は、私にとっても思い出の曲。幼い頃、母がよく歌ってくれて、自然と覚えた一曲です。作者の島田修三さんにも、何か大きな思い出があったのでしょう。口ずさんでいる途中に、ぐっと胸にこみあげるものがあったのです。歌は思い出を呼び覚まします。
5月28日(水)
ゆくりなくカーラジオから流れ出す小澤征爾のウィンナワルツ
久々湊盈子

昨年2月、世界的に有名な指揮者小澤征爾さんが亡くなりました。「ゆくりなく」とは偶然という意味。思いがけず彼のウインナワルツが車のラジオから流れ始め、世界的指揮者を偲ぶ思いが作者の胸をいっぱいにしたのでしょう。
5月29日(木)
ふうわりと翼のかたちに鍵盤をはなれゆくなり弾き終えし手は
黒坂明也

ピアノのリサイタルで、一曲の演奏が終わった瞬間をスローモーションにして切り取った歌。演奏の感動の余韻を感じるこの短歌、私の頭の中には、ピアニストの手が静かにゆっくりと鍵盤を離れていく様が目に浮かびました。「朝日歌壇」で2025年3月2日に出会った短歌です。演奏の「余韻」が漂い、恍惚の瞬間でさえあるような気がします。
5月30日(金)
タクト振る風をあやつるように見え風を味方につけた音たち
ふらいすとーん

音楽に関する短歌はないかな、とネットで調べてみたところ、「久石譲ファンサイト 響きはじめの部屋」というホームページにたどり着き、この歌を見つけました。久石譲さんの指揮に見入り、風を感じて、できた短歌なのでしょう。ジブリの音楽を一手に引き受けている久石譲さんの楽曲は、どれも素敵な音色です。私は「ラピュタ」の音楽が大好き。あっ、「ふらいすとーん」って「飛行石」だ!
5月31日(土)
直立のガラスペンかな噴水は空に綴れよ一行の詩を
長澤ちづ

空高く水を噴き上げる噴水に「一行の詩を綴ってみせろ」と歌った短歌。メロディはないけれど、これもまた「歌」「音楽」と関連するのではないでしょうか(ちょっと苦しいけれど。笑)。
まっすぐ上に水を噴き上げる噴水。そのさまが、今人気のガラスペンに見えたのでしょう。新しいものを積極的に詠んでいく姿勢が、ガラスペンのようにキラキラして見えます。
☆ ☆ ☆
6月になりました。教育実習生も実習期間をスタートさせます。パフォーマンス大会も控えています。今月の満月は11日。6月の満月は「ストロベリームーン」です。映画が封切られる前に、ストロベリームーンが味わえたらいいですね。
有意義な一か月になり案すように。