6月ももうすぐ終わりますね。「小さな白板」の第24週は、初日の23日(月)が西遠の代休日でありましたので、火曜スタートとなりました。
6月24日(火)
どれほどの叫び、無念、苦しみがあったか 曇り日の摩文仁(まぶに)の丘
千葉 聡

代休日の6月23日は、沖縄慰霊の日でした。この日、式典で発表された今年の「平和の詩」は、小学6年生の男児 城間一歩輝(いぶき)君の「おばあちゃんの歌」でした。この詩を読んで、「おばあちゃん、本当につらい過去を小6のお孫さんに話してくれてありがとうございました。」と手を合わせたい気持ちになりました。そして、「継承」の大切さを感じました。
ちばさと先生こと千葉聡さんの短歌は、高校生とともに訪れた沖縄で詠まれた歌。摩文仁の丘に立ったちばさと先生や高校生たちの耳には、何十年も前の叫びが聞こえたのではないでしょうか。
以前、式典で「平和の詩」を朗読した上原美春さんは、今、お母様・お姉様と共に、「沖縄学徒のことを語り継ぎたい」として、3年前から絵本を制作、このほど完成したのだそうです。お母様はクラウドファンディング「沖縄戦学徒を伝えたい」妹の絵と姉の言葉を、母が未来へ届ける絵本」で、この絵本をたくさんの人に広めたいと頑張っておられます。ここにも「継承」を実行している人々がいます。私も微力ですが、クラファンに参加しました。ご興味ある方は、ぜひこちらをご覧ください。上原家の皆様の思いが伝わるといいなと思います。
6月25日(水)
封筒の字が滲んでて先週のあなたの街は雨だったのか
千種創一

手紙文化が廃れつつありますが、封筒の文字のにじみに、投函してくれた時の相手の地方の天気を想像する…そんな想像力も、手紙の衰退とともになくなってしまうのは、寂しすぎますね。私は、文通を大事にしたいです。(と言いながら、なかなかお手紙返せなくてごめんなさい!先生、そして上田さん!)
6月26日(木)
野良は野良の誇りがあるかゆうゆうと道の真中を歩く一匹
沖ななも

猫は気高いです。野良には野良の誇り、絶対ありますよね。今日も、土曜の午後の正門付近を、野良猫が悠々と横切っていきました。風格漂う猫さんの後ろ姿を、愛梨先生と見送りました。
6月27日(金)
蛇は人を夢見ることのなかりしに人は苦しむ夢見の蛇に
高柳克弘

確かに、蛇は人を夢見ないけれど、人は蛇のでる夢に苦しんだりしますよね。この短歌は、「短歌研究」2023年3月号の俳句de短歌のページで見つけました。高柳克弘さんは、1980年生まれ、浜松市出身の俳人です。郷土の文学者として、皆さん高柳さんを知ってくださいね。
6月28日(土)
レジ横になごやんを置くコンビニの策略の裏の裏を読み 買う
小坂井大輔

苦笑しながら味わいました。コンビニやスーパーの策略! そうなんですよ、と思いながら読んでいたら、「結局、買うんかい!」となった短歌です。何だか「なごやん」が食べたくなりました。
今週は、「短歌研究」2023年3月号からすべて選んでみました。今、「短歌研究」2025年7・8月号が届き、毎日じわじわと味わっています。