秋休み、ここにはぜひ行きたいと思っていた場所、佐鳴湖岸 入野の「龍雲寺」に行ってきました。ここで10月13日まで「金澤翔子展 ~龍雲寺 最後の展覧会~」が開かれているのです。以前から、龍雲寺さんが金澤さんの書道展を行っていることは知っていましたが、今回「最後」と聞いて、金澤さんの書の世界にぜひとも触れたい、向かい合いたい!と思ったのでした。

平日の昼下がりにもかかわらず、たくさんの方々が見学にいらしていました。金澤さんの書のファンはとても多いのですね。
金澤さんは、ダウン症の天才書家と言われています。書家のお母様の指導を受け、自らも10歳の時に「般若心境」を書いたことでつらさ悲しさを乗り越えたのだそうです。様々なところで所を発表してきた金澤さん、私は、大河ドラマ「平清盛」(2012年)の題字を書いたことで、彼女のことを知りました。入野の龍雲寺さんには、彼女の作品 縦4m×横16mの「世界一大きい般若心経」が常設展示されています。40歳を迎えた金澤さんが新作の制作をしないとしたことで、今回、最後の展示会が龍雲寺さんで開催されることになったのでした。

力強い大作が並び、圧倒されます。身を削って書いているのだと思いました。
最後の作品として揮毫された「お母さまへの手紙」も、彼女の歴史と彼女の明るく前向きな生き方がわかり、感動しました。
他にも、お寺の中には、たくさんの作品が飾られていました。庭を望む窓も素敵でした。



そして、大きな大きな般若心経が飾られた広間へ。本当に大きな作品です。しばらく無言で作品を見つめ、口の中で般若心経を唱えていました。

写真は、奇跡的に母一人だけが作品の前に立った瞬間の一枚。書の大きさがわかると思います。
清々しい気持ちになり、良い時間が持てたと心から思いました。
今回の展示会は、龍雲寺(中央区入野町)で13日までとのことです。ぜひ皆様も足をのばしてみてください。