平松知子先生をお迎えして ~女性教育講演会~

西遠では、毎年、各方面で活躍されている方をお招きしてお話を伺い、生き方について考える「女性教育講演会」を行っています。
今年は、西遠の卒業生であり、現在、社会福祉法人 熱田福祉会 理事長の平松知子先生から、
 〜自分の気持ちを言えますか?~
「だれもが大切にされる社会をあきらめない」
と題したお話を全校で伺いました。
保護者、卒業生、学校関係者の方も参加されました。

平松知子先生は、第32回卒業生。一つ下の学年ですが、私にとって尊敬する卒業生のお一人です。以前にも、2012年に全校生徒に向けて、2020年には母親学級の教育講演会で、お話ししていただきました。
先生は、保育の現場で出会う子どもたち、お母さんお父さんたちの思いを、熱く語ってくださいます。そこには愛があふれています。
今日の講演会は、「小さなころの記憶はある?」「どんなことを覚えてる?」という生徒たちへの問いかけから始まりました。

西遠生の中にも、保育園で育った生徒もいます。「保育園に通っていた人?」と聞かれ、元気に手を挙げた生徒に「お父さんやお母さん、頑張って育ててくれたんだね」、保育園ではなかった子にも「みんな、ご家族に大切にされて育ってきたんだよね」と先生。会場は温かい言葉に包まれていきます。私自身も子育ての日々を懐かしく振り返りながら、平松先生のお話に引き込まれていきました。

平松先生のお話では、大事なことをたくさん教わりました。
〇一人ひとりが自分を大切にしてほしい。自分の気持ちを大事にしてほしい。
〇平等とは、一人一人が違うこと。違いを祝福し合える社会を平等という。
〇どんな行為にも必ず理由がある。現象の背景に思いをはせる。
〇スマホには睡眠泥棒の側面もある。スマホに支配されていないか?
〇スマホの接触時間と語彙力不足は関係性が高い。
〇自己肯定感には、自己充実感と自己安定感の2つがあり、両方大切。
〇挫折や失敗はあっていい。「失敗してもへっちゃらポンチ」
〇自分の思考を耕しているかを、しっかり意識して。
〇それぞれの個性を尊重し、違いを認め合う。人とのかかわりを諦めないで。

質疑応答のコーナーでは、3人の生徒が先生に質問をしました。その中で、「西遠での中高時代が、今、ご自身の中で生きていると思うことは何ですか?」という質問への答えの中で、「今、皆さんが受けている授業も、確実に皆さんの血や肉になっているんです」という言葉が心に残りました。講演会の前に、「西遠の先生方の教えが今、心の中で生きている」というお話を平松先生としみじみしていたこともあり、強く強くうなづいたオオバでした。

最後に、保育の道を目指す高校2年生が、全校生徒を代表して「平松先輩」に感謝の言葉を述べ、花束を贈呈しました。

あっという間の90分間でした。平松先生の愛のこもったお話は、進路に悩む生徒にも、日々の生活で悩みのあった生徒にも、きっと大きな指針を示してくださったことでしょう。
講演後、友情編集委員の取材にも応じてくださいました。

記念写真は、岡本巌先生の書の前で。

平松先生の目指す保育は、子どもたち一人一人の人権を尊重し、お父さんお母さん方の思いにも耳を傾け、心のゆとりを与えようとしてくださる、とても懐の深いものだと思いました。保育の世界にこんな素晴らしい卒業生がいらっしゃることが、私には大きな誇りです。
平松先生のこれからのご活躍をお祈りいたします。本日は、本当にありがとうございました!