西遠学園祭2025を振り返る 5

10月4・5日に開催された「西遠学園祭2025」では、高校2年生の3クラスがHR展でその実力を発揮しました。
高校2年生に与えられた課題は「地域や世界に提案する」というもの。地域と世界の課題を見つけ出し、どんな提案をするのか、「創造」が試される学年です。

今とても深刻なコメ問題が起きています。その社会問題に真正面から取り組んだのが、5年菫組。クラス皆で手分けして、様々な角度から「お米」について調査しました。→オンライン版はこちらをどうぞ。

巨大制作物として彼女たちが作り上げたのは、「棚田」でした。
お米の育つ場所として、日本の棚田の美しさ、そして大切さを表したかったと言います。医師、水、そして稲をどんな材料で作り上げるか、議論を重ねて出来上がった制作物です。

棚田の効能も紹介されて、訪れたお客様も大きくうなずいていました。

お米の歴史、遠州のお米、世界のお米など、「米」は幅広く紹介されました。

2日目、外国人審査員としてご来場くださったジャロさんにも、英語で丁寧に説明します。ジャロさん、たっぷり時間をかけて見学・審査をしてくださいました。

月組は月を調べる!とばかり、宇宙に飛び出した5年月組。オンライン版はこちらです。

月は、人類の一つのあこがれの地でもあります。月の成り立ちや、開発の歴史を紹介しながら進む教室。実際に月を目指し、様々な研究が進んでいることを、このHR展を見学することで知ることができました。丁寧に説明する姿勢が見られ、「みんな、プレゼンテーションがうまい!」と審査員をうならせました。

「世界への提案」は、月開発についてのこれからにも言及し、地球市民から宇宙市民へ成長したと思わせる、視点の高さを感じました。
巨大制作物のアピールがもっと積極的にできるとよかったですね。とはいえ、15分という限られた時間の中で何を説明し、何を削るか、試行錯誤しながらの2日間だったと思います。
外国人審査員への英語説明と並行して、一緒に見学した日本人のお客様に臨機応変な対応もできたところなども高く評価されました。
HR展第3位、おめでとう!

審査員の感想をご紹介します。

5年星組は、「道の駅」をテーマに、夏休みから精力的な取材を重ねました。道の駅から見える地方活性化、とても興味深い探究テーマでした。オンライン版は、こちらからどうぞ。

教室全体が一つの道の駅になっているというアイデアが秀逸でした。ついたてを一枚も使わずに、情報量も調べたうえでコントロールしている点、模造紙のレイアウトの読みやすさなど、HR展の最上級生としての自負を感じました。

床に置かれたパネルのクイズは、どの道の駅にどんな特産物があるのかをマッチングさせて貼り付けるもの。マグネットの位置を工夫しており、正答だとしっかり貼り付く仕組みになっていて、お客さんが楽しみながらクイズに参加することができました。

準備作業でもクラス全員の協力体制と妥協しない堅固な意識が感じられました。

たくさんのお客様が、道の駅を楽しんでいた2日間でした。

審査員からの感想をどうぞ。

「HR展第1位」「をみなご賞」「外国人審査員賞」の3冠を達成しました。おめでとう!

課題を挙げるとすれば、「提案」部分をもっと攻めたかったというところです。「自分事として考える」のさらに深いところを、具体的に論理的に掘り下げたなら、「理想の道の駅」ができたのではないでしょうか。海外の人々に日本の発信する「道の駅」の精神が伝わっていったら、世界の未来を作ることにもつながるのではないかと期待を感じさせるHR展でした。

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HR展は、中3から高2までが「世界で生きる力」をつける大切な探究活動です。この学園祭が終わっても、クラスの探究はぜひ続けてほしいと思っています。そして、地域や世界に対して発信できる生徒たちであってほしいと心から願っています。