夏休みも、図書館の開く日には白板を掲げています。第32週は同窓会の日に、33週は図書館3階で自習に励む高校3年生に敬意を表して。登校した皆さん、読んでくれましたか?
8月11日(火・祝)
ラピスラズリのひとつぶひさびさに首にかけひかり明るき街に出で来つ
久々湊盈子

卒業して18年、久しぶりに母校に集う皆さんをお迎えして、この短歌を掲げました。ラピスラズリは深い青色の宝石で、和名は「瑠璃」。古代エジプト、メソポタミアの人々も好んでいました。宝石に疎いオオバですが、ラピスラズリの青には惹かれます。36歳の皆さんなら、外出時に久しぶりに自分を飾る宝石を身に着ける気持ち、わかるのではないかしら。
8月17日(月)
まあいいかコーヒーゼリー味わっておこう真夏が終わりかけてる
ファブリ

この日から夏期講習後半が始まりました。南館のエアコンを修理中のため、講習の空き時間、高校3年生の自習場所として図書館を急遽開放しました。
真夏が終わりかけていることを、高校3年生が一番焦って感じているんじゃないかな。でも、そういう時こそ、心にゆとりを。はい、深呼吸。ゆく夏を惜しんで、コーヒーゼリーもいいですね。
8月18日(火)
言わなければ遠く遠くへ行けるのに眠るきみに次だよと教える
長尾桃子

せつない短歌ですねえ。起こさなければ二人の時間は続くのに、傍らで眠っている「きみ」に「次の駅だよ」と声をかけてしまう…。
純愛、優しくて、せつないです。こういう気持ち、10代の皆さんにはぜひ大事にしてもらいたいな。
8月19日(水)
ホースから最初はぬるい水が出る、まだ残ってた涙みたいに
岡野大嗣

何気ない日常の中に、短歌の入り口ってあるのですね。ホースから最初に出てくる水はぬるい。それを涙の残りだと感じる感性…。
岡野大嗣さんのこの短歌が収められた「あなたに犬がそばにいた夏」は、図書館の木下龍也図書にあります。
8月20日(木)
いまどきの女子のことばに「よ」「わ」「ね」という語尾はないのだ凛と行くのだ
さいとうすみこ

それいけ、女の子!と背中を押してくれるような短歌ですね。「凛と行くのだ」がとてつもなくカッコいい!「よ」「わ」「ね」はそのまま「弱音」にも通じます。「弱音はないのだ」弱音なんか吐かないよ!とキリッとして宣言する女の子の姿が目に浮かびます。
8月21日(金)
スキップで浮かぶ時間はとてもわずか けれど繰り返すのがスキップ
初谷むい

スキップというと、一つ前の朝ドラ「ばけばけ」のおときちゃんのスキップを思い出します。ヘブンさんに教えてもらったのに、なかなかスキップが踏めなくて笑われながら練習し、ある日できるようになって思わず大歓声を上げるおときちゃん。あの朝ドラはじわじわと心にしみるドラマでした…。
8月22日(土)
今回の私に対する制裁は、ある程度予期していたことで驚きはない。重要なのは、これを国際的な「法の支配」の終焉の始まりとさせないこと。日本と日本の皆様の支援が重要な鍵となるだろう。
赤根智子

高校3年生が模擬試験に臨む場所として、図書館3階も加わりました。土曜日に模擬試験で階段を上がる高校3年生に、この言葉を読んでもっらいたいと思い、掲げました。
ICC所長 赤根智子さんの8月21日の声明です。アメリカによる制裁にもひるまない彼女の強さ、それは、「法の支配」の終焉を阻止しなければという強い使命感からなのですね。冷静な分析力、責任感、諦めない姿勢、権力との対峙…、彼女から学ぶべきものがたくさんあると感じます。

