夏休み読書日記 その1

この夏出会った本を順次紹介していこうと思います。

昨日のブログに、夏休みにたくさん本を読みたいと書いたものの、そんなに速読できる人間ではないので、シリーズ化できるかまったくもって不安ですが(笑)。

昨日、頼んでおいた本がもう一冊届きました。星野ルネさんの方ではなくて、まったく違う分野の本です。読書日記の第1回は、この本を取り上げます。

「夏の雲は忘れない ヒロシマ・ナガサキ1945年」夏の会編(大月書店)

本の帯にあるように、この本は、原爆朗読劇を書籍化した本です。「この子たちの夏」という題で始まった原爆朗読劇は、本の帯にあるように、この本は、原爆朗読劇を書籍化した本です。「この子たちの夏」という題で始まった原爆朗読劇は、1985年から始まり、女優さんたちが大事に大事に続けてきた舞台です。歴史をたどると、地人会という劇団の解散後、融資の女優さんたちによって「夏の会」が結成され、 劇団や所属事務所を超えた活動として 朗読劇は継承されたのだそうです。「夏の雲は忘れない」は、戦争を知る女優さんたちと、戦後生まれの両親から生まれた子どもたちによる舞台となりました。

「この子たちの夏」「夏の雲は忘れない」の舞台を、私は一度も観たことがなく、ずっと観たいと思ってきました。そこで、この本の存在を知り、購入したのです。広島と長崎の原爆の惨状が、被爆者や被爆した子供たちの死や手記をもとにまとめられています。峠三吉さんの詩も収められています。長い文章はほとんどありません。舞台から客席へ、声だけで届けることを目的に、選択された詩や文章なのでしょう。この詩や手記を客席で聴いたとき、私はどんな気持ちになるんだろう、と想像しながら読み進めました。

本には、従軍カメラマンだったジョー・オダネルの文章「トランクの中の日本」も載っていました。ローマ法王が取り上げた写真「焼き場に立つ少年」で知られるカメラマンです。原爆で苦しんだのは、日本人だけではなかったこと、原爆を落としたアメリカの人もまたこんなに苦しかったのだということを知りました。

この本の最後は、演出家の城田美樹さんによる「言葉の灯」という文章で締められています。そこに「『継承』という課題」と題された部分があり、城田さんはそこで、記憶のバトンを子どもたちに渡すことの大切さに触れていました。うなずきながら読みました。

もうすぐ8月6日、9日が巡ってきます。今年は、この本の中のいくつかの詩を声に出して読みながら、この日を迎えたいと思います。