平和を継承するために

8月15日の終戦記念日を前に、新聞やテレビでの戦争特集が増えています。

昨日、中日新聞に1人の女性のインタビューが取り上げられました。「孤独な思い 二度と 赤根さん親と祖母、妹弟の7人失う」と題されたこの記事が出ているのを教えてくださったのは、「戦争はいらない」という本を編まれた元城校十九年会の佐倉様でした。

生徒の皆さんは、今年の慰霊式で私が紹介した詩を覚えていますか?

「愛の心をとりもどそう/愛の心で仲良く生きよう/この小さな命を愛でつつんで生きよう/戦争はいらない!」(抜粋)

赤根幸子さんはこの詩の作者です。西遠に入って2年生になった時、空襲でご家族を亡くされました。佐倉様は同級生の赤根様が新聞に大きく取り上げられたことをお電話で教えてくださったのでした。記事には、「愛の心とりもどそう」の詩も掲載されました。多くの方がこの記事を読んで、戦争の悲劇が決してその場限りではないこと、人々の心をこんなに長く苦しめることを痛感されたことと思います。私も赤根様のご長女の言葉が忘れられません。愛の心の大切さを改めて考えさせられました。

静岡朝日テレビと静岡第一テレビの県内ニュースでの特集も、終戦から75年の節目の年にあたり、企画されたもの。そして、戦争を知らない世代であるディレクターや記者の方々が真摯に取材したものです。今夕、そこに西遠の殉難学徒慰霊式や平和教育が取り上げられることを、とてもありがたく思います。

卒業生の伊藤様に戦争のお話を聞いている中学1年生(2015年4月)。
「クウシュウって何?」と言っていた彼女たちも、今春高3になりました。

年々難しくなっている「戦争体験者のお話を聞く」という機会。今年は「年月」という壁に加えて「コロナウイルス」という新たな壁に阻まれました。それでも、戦争の辛さ苦しさを体験した方が新聞やテレビを通じて声を上げてくださっていることに、私たちは励まされます。これからも、生徒たちが戦争や平和について考えを深めるために、そして、平和を継承していくために、戦争体験の聞き書きをできる限り続けていきたい、と思います。

2019年の勲何学徒慰霊式の舞台を飾った花と折り鶴。

オンラインのプラタナスコンサートに出演する本校生徒の代表が、終戦の日のSBSラジオに生出演します。

8月15日15:00~16:00のSBSラジオ『ハビンコイタイムズ』内で、ハピンコイさんとZoomでお話しするとのこと。生徒会が主催する殉難学徒慰霊式の話題も出るかもしれません。どうぞお聴きください。