人権、そして「どう生きるか」

先週このブログで紹介させていただいた、11月14日の講堂朝会の感想を本日も紹介します。今までのタイトルは、生徒の「人権」への思いでしたが、今日ご紹介する高校2年生と3年生の感想は、人権からまた一歩進んで、自分はどう生きたいのかということに触れたものです。

高校3年生の思い

  • 中満泉さんは、私が去年「女性の生き方の作文」で取り上げた女性でした。その時感じたことは、彼女のような行動力のある女性になりたいなということでした。今回「15歳の私へ」の文を読み、18歳の私にも励みになるものだと思いました。「努力すればなんでも可能になることを信じて決して疑わないで」という言葉は良い言葉だなと思いました。何ごとにも努力することが大事だということに共感しました。また、本当の「知」、知識と知恵の両方を身につけられるように、生涯勉強していこうと思いました。中満さんの言葉を知ることができ、私にとって大きなプラスになりました。欲を言えば、15歳の私にも教えてあげられたら良かったなと思います。
  • 私は、今回のお話を聞いたとき、今現代文の授業で学習している夏目漱石の「私の個人主義」と内容がつながっていることに気づき、何かが自分の胸に深く刺さったような感覚がしました。今まで、国際ガールズデーや選挙、教育の話を何度も耳にたこができるほど聞いてきましたが、その時は何も考えることなくただぼんやりとしていたので、自分に関係のある事なのに、自分には関係がないと決めつけていました。しかし今、自分は高校3年生で、もう全員が登校する日はあと50日を切り、卒業したら約2年で成人。そう考えると、今回のお話で登場した二人の女性の言葉が自分の心に深く残りました。夏目漱石の「私の個人主義」でも、相手の意見に流されるのではなく、自分の意見を相手に伝えるのが大事だというような内容が書かれていたので、今の自分を振り返り、今までの自分を強く叱ってやりたくなりました。普段の生活でも、友だちの考えや家族の考えを聞き、その考えを自分の考えのようにただただ賛同していた自分。LHRでも、自分の考えというより、ただ自分がテレビで見たタレントや評論家の意見を発表していただけでした。しかし、現代文の授業や今回のお話が、自分を見つめ直す良い機会になりました。もうすぐ誕生日を迎え、18歳になって選挙権を持つので、選挙の時には、選挙に参加できる「権利」を使い、自分の考えに自信を持ち、周りに流されることなく自分のいいと思った人に投票したいです。選挙だけでなく、他のことでも生かしていきたいです。

最上級生は、みんな、今までの自分と再度出会いながら、考えを深めていました。6年間あるいは3年間の集大成ともいえる今の時期、思いは他学年と比較できないほど深まり、未来を考えることも、より具体的であるように思います。あと何日の登校、あと何回の校歌…、そんな思いも高校3年生ならではでしょう。

高校2年生の思い

  • 私は最近自分のクラスについてよく考えます。様々な人がいるけれど、根底にあるのは「何かを一生懸命頑張りたい」という気持ちです。話し合いなどの場面で、私のクラスは本当に本当に本当に色々な意見がたくさん出ます。正反対の意見も出るし、似ているけどちがう、違うようで似ている意見がたくさん出ます。私はその過程が大好きです。たまたま外からこの光景を見た人には、ケンカでもしているのかと思われるかもしれないほどです。でも、それは全く違って、みんなが本音でぶつかり合うことで妥協点や問題点を一番いい形で見つけていっている最中なのです。これができることに、私は毎回喜びを感じます。お互いがお互いを認め合って話をする、聞くということが、まさに私たちの体現していることだと思います。話し合いでもそうだし、悩みを相談しても、分からないところを質問してもそうです。なんでも一生懸命です。私のクラスも最初からこの状況だったわけではありません。「〇〇組だから」とクラスの限界を決めてしまわなければ、どのクラスも活気あるクラスにできると思います。いかに自分の意見をぶつけるのか、そこには、認めるという共通認識が必要だと実感しました。カマラ・ハリスさんの演説を聞いて、個人としての意思表示や選挙のあり方、集団のあり方について、私なりの考えを広げることができてよかったです。
  • 現在、女性に投票権があることは、これまでの女性たちの努力のおかげだと再認識しました。それと同時に、「民主主義」であることが「当たり前」ではないこと、自分たちで声をあげていく行動をしなければ、「当たり前」にはならないことを感じました。私は今「相対的貧困、機会の格差、ジェンダーの格差」に関心があります。これらの問題について大人の方の話を聞いたり、同世代の高校生と話したりしていくにつれて、「平等って何なのか」「格差はどうしたらなくせるのか。もしくは完璧になくせるものなのか」など、すぐに答えが出ないことに気づいた気がします。まず、その当たり前が当たり前であるように、常に考え続けることを、私たちは忘れてはならないのだと思います。中満泉さんの言葉を聞いて、女子でも活躍できること、そしてその可能性があることを教えてもらえる環境に今自分がいられることに感謝します。女子校に通う私は、「女性の社会進出は女子が何とかするものだ」とばかり思っていましたが、今参加している課外活動では、ジェンダー平等に取り組む男子高校生が多くいます。これも私が知らなかったことです。カマラ・ハリス次期副大統領が子どもたちに新たな可能性を見せてくださったように、私たち高校生も次の世代へ可能性を作りたいと思います。

自分のクラスを向上させていくこと、どんどん学校外の人とも意見を交わし成長していくこと。高校2年生の感想を読みながら、その吸収力と思考の深さ、行動して変えていこうとする姿勢に感激しました。

下級生の皆さんへ

西遠の下級生の皆さん、 あなたたちの先輩は本当によく考え、積極的に動いています。素晴らしいロールモデルがこんなに身近にいることは、とても幸運だし、生かさなくちゃもったいないことです。先輩が言う「クラスの限界を決めてしまうこと」をしていませんか? 「 自分たちで声をあげていく行動をしなければ、『当たり前』にはならないこと 」を意識できていますか? 「 耳にたこができるほど聞いてきたことを自分には関係がないと決めつけていた 」「 欲を言えば、15歳の私にも教えてあげられたら良かった 」という先輩の反省は、実は下級生への痛烈な、そして思いやりに富んだメッセージなのです。

私はどう生きるのか?‥‥常に考えていたいものです。